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美容師が徹底解説!髪のダメージの原因・進行・対策まるわかりガイド

この記事について

美容師が髪のダメージの原因・進行・対策を徹底解説。パーマやカラー、ブリーチの影響や正しいケア方法、日常で気をつけるべきポイントまで詳しく紹介します。

髪のダメージには2種類ある

髪のダメージについて、多くの方が悩まれているかと思いますが、実はダメージには2種類あります。
一つ目は「薬剤によるダメージ」、そして二つ目は「そのダメージの進行」です。
まずは、薬剤によるダメージについて詳しく説明していきます。

薬剤によるダメージとは?

私たち美容師は、パーマ液やカラー剤を使って、お客様を美しくする仕事をしています。
しかし、パーマやカラーは、見た目を美しくする一方で、どうしても髪にダメージを与えてしまいます。

極論ですが、本当に髪を大切にするならば、パーマやカラーは一切しないほうが良いのです。
とはいえ、現実には白髪染めや縮毛矯正など、パーマやカラーをしない生活を送ることは難しいため、
このチャンネルではヘアケアシャンプーやトリートメントのご提案をさせていただいています。

特に、美容室でトリートメントを受けるだけでなく、ご自宅で使用するシャンプーやトリートメントにもこだわっていただきたいと考えています。
これについて、ここからしっかり解説していきます。

パーマやカラーのダメージの仕組み

パーマ液やカラー剤は、何によって髪を痛めるのかを説明していきます。
パーマ液には、アルカリ剤と還元剤が含まれています。
また、ここには書いていませんが、パーマの二液には過酸化水素や臭素酸ナトリウムも使われています。

カラー剤には、アルカリ性の成分と過酸化水素が使われており、これらが髪の内部を破壊し、構造を変えていきます。
つまり、施術そのものが髪の内部を破壊する工程を含んでいるのです。

極端な話ですが、髪を大切にしたいのであれば、パーマやカラーはしないほうが良いということになります。
たった一度の施術でも、髪の内部は破壊されてしまうのです。
美容師である私がこういったことを言うのは本来避けるべきかもしれませんが、これが事実であるため、ぜひ覚えておいてください。

パーマ・カラーで髪の内部はどうなる?

次に、なぜパーマやカラーで髪が痛むのか、その仕組みについて解説していきます。
ここでご覧いただくのは、毛髪の断面図です。髪の内部には、メデュラ・コルテックス・キューティクルといった層があります。

健康な髪では、コルテックスが密に詰まり、キューティクルも規則正しく整列しています。
しかし、パーマやカラーの分子は、この隙間を通って毛髪内部へ侵入していきます。

カラーの場合、活性酸素を発生させて内部を破壊しながら染めていきます。
パーマの場合、内部の結合を一度切断し、再結合させることで髪の形を変えます。
この「切る」という行為自体が、髪の内部を破壊してしまうのです。

カラーに関しても、活性酸素とアルカリによってキューティクルを溶かし、内部を破壊するメカニズムになっています。

パーマ・カラー後に起こる髪内部の変化

パーマやカラーによって髪内部が破壊されると、どのような変化が起きるのでしょうか。
ここからは、施術後の髪の内部について詳しく説明していきます。

ダメージホール(ボイド)の発生

こちらの図は、パーマ・カラーをした後の髪内部の様子を示したものです。

赤い丸で示されているのが「ダメージホール」、別名「ボイド」と呼ばれる空洞です。

このダメージホールができることにより、キューティクルの接着剤であるCMC(細胞間脂質)も剥がれ、
キューティクルが浮いたり、剥離してしまう現象が発生します。

こうした現象は、たった一度の施術でも現れます。
そして、施術回数を重ねるごとにダメージホールはどんどん増えていき、髪の内部はスカスカになっていきます。

美容師の薬剤設定ミスによる深刻な損傷

特に髪の毛が著しく傷むケースとして、美容師側の薬剤設定ミスがあります。
毛髪診断を誤り、髪の状態に対して強すぎる薬剤を使用すると、髪は極端に損傷してしまいます。

オーバースペックな薬剤設定により、キューティクルはほとんど破壊され、コルテックスも断裂し、髪が切れてしまう断毛現象が起こります。
このような現象は、縮毛矯正やデジタルパーマで特に多く見られます。

オーバータイムによるダメージの加速

また、薬剤の放置時間を守らないこと(オーバータイム)でも、髪は著しく傷んでしまいます。
メーカーが推奨している時間を超えてしまうと、髪内部の破壊が進行します。

たとえば、通常ならすでに流しているはずのカラー剤を、1時間も放置してしまった場合などは、
髪がボロボロに傷んでしまうことになります。

美容師側の技術として、適切な薬剤選定と正しい時間管理は非常に重要です。
オーバータイムでもダメージは進行してしまうため、注意が必要です。

施術回数が増えるほどダメージは進む

さらに、施術回数を重ねるほど髪のダメージは進行します。
初めて染めたカラーよりも、10回目のカラーの方が確実に髪は傷んでいます。

もちろん、ダメージを軽減する施術方法もありますが、何も考えずに施術を繰り返してしまうと、
特にホームカラーなどの場合は、髪がどんどん劣化していきます。

ブリーチによる髪への深刻なダメージ

近年、ブリーチを取り入れたスタイルが流行していますが、ブリーチが髪に与える影響は非常に大きいものです。
ここでは、ブリーチによるダメージの深刻さについて詳しく解説していきます。

ブリーチは髪を完全に破壊する

ブリーチを一度でも行うと、髪はもはや「髪の毛」とは呼べないほどの状態に変わってしまいます。
ブリーチ剤は非常に強力で、pH値も高く、髪内部のすべてを溶かしてしまうほどの力を持っています。

稀に髪が丈夫で溶けない方もいらっしゃいますが、ほとんどの場合、髪は構造を維持できず、
本来の「髪の毛」とは違う性質を持つものになってしまいます。

ブリーチ後の対応は「切る」しかない場合も

当店でも、ブリーチによる深刻なダメージについてご相談を受けることが多いですが、
その場合、基本的には「切るしかありません」とお伝えしています。

高価なトリートメントをしても、ブリーチで破壊された髪を元に戻すことはできません。
無理に残そうとするより、必要に応じてカットすることをおすすめしています。

当店ではトリートメントをセットでご提案

また、当店では、薬剤を使用するメニュー(パーマやカラー)をご希望のお客様には、必ずトリートメントをセットでご案内しています。

これは単なる「手触り向上」のためではなく、薬剤残留物の除去と髪内部の補修という明確な目的があるためです。
この薬剤除去の重要性についても、次に詳しく説明していきます。

サロントリートメントの役割と限界について

髪を美しく保つために、美容室でトリートメントをする方も多いと思います。
しかし、サロントリートメントにも明確な役割があり、限界も存在します。ここでは、その詳細について説明していきます。

薬剤の除去が最も重要

パーマ液やカラー剤には、還元剤、過酸化水素、アルカリ剤が含まれています。
これらは施術後も髪内部に残留し、時間とともに酸化が進み、さらなるダメージを引き起こしてしまいます。

サロントリートメントでは、これらの薬剤を除去したり、中和したりする作業を行っています。
特に重要なのは、髪のpH値を等電点(4.5〜5.5)に戻すことです。

ダメージホール(ボイド)の補修

パーマやカラー施術後には、必ず毛髪内部に空洞(ボイド)ができます。
この空洞に対して、サロントリートメントでは擬似的にパテ埋めを行い、髪の内部を補修していきます。

ただし、ここで注意していただきたいのは、
サロントリートメントをしても触っただけでは違いがわからない場合があるということです。
これは、目に見えない「薬剤除去」が目的であるためです。

強すぎるコーティング剤のリスク

トリートメントによっては、非常に強力なコーティング剤を使っているものもあります。
一時的に手触りが良くなる反面、薬剤残留物を封じ込めてしまったり、後に剥がれる際にキューティクルごと剥がしてしまうリスクがあります。

すべてのトリートメントが安全というわけではなく、使用する製品によって効果やリスクが異なることも、ぜひ覚えておいてください。

一度でもパーマ・カラーをすると髪は傷む

改めてお伝えしますが、パーマやカラーを一度でも行えば、髪は必ずダメージを受けます。
その際に発生するダメージホール(ボイド)が、さらにダメージを進行させる原因となります。

髪のダメージは、薬剤を使った瞬間から始まるのだということを、しっかり理解していただけると嬉しいです。

ダメージ進行の原因と日常生活での注意点

ここからは、施術後にどのように髪のダメージが進行していくのか、またその原因について解説していきます。
美容師側の薬剤ミスとは異なり、ここからはお客様自身の日常ケアに関わる内容です。

間違ったヘアケアの例

ダメージ進行の大きな原因は、間違ったヘアケア習慣です。
具体例として、以下のような行為が髪の傷みを進行させます。

  • ・過度なブラッシング
  • ・ドライヤーやアイロンの使いすぎ、近づけすぎ
  • ・過度なオイルの使用と、オイルを落とさないこと
  • ・洗浄力の強いシャンプーの使用
  • ・コーティング力が強すぎるトリートメントの使用

たとえば、オイルは酸化して過酸化脂質に変化し、髪の細胞間脂質(CMC)と混ざり異物化してしまいます。
これが原因で、カラーがうまく入らない、縮毛矯正がかかりにくいなどのトラブルも起こります。

ボディソープによるダメージにも注意

ロングヘアやミディアムヘアの方で、体を洗う際に髪をまとめない場合、
ボディソープが髪に付着し、ダメージを進行させてしまうことがあります。

ボディソープはアルカリ性であるため、髪のキューティクルに悪影響を与えます。
体を洗うときは、髪をまとめ、できる限り石鹸やボディソープが髪に触れないようにしましょう。

濡れた髪の摩擦を防ぐ

髪は濡れている状態が最もデリケートです。
濡れたまま寝ると、枕との摩擦で著しいダメージを受けてしまいます。

また、タオルドライ時にゴシゴシこするのも絶対に避けてください。
タオルで優しく押さえるように水分を取るのが理想です。

汗によるダメージ進行

汗も髪のダメージ進行を招く要因の一つです。
汗は出た直後は弱酸性ですが、空気に触れることでアルカリ性に変化します。

特に細い髪や、額やうなじ周辺の髪は汗の影響を受けやすく、ダメージが進行しやすくなります。
できるだけこまめに汗を拭き取ることをおすすめします。

日常生活の摩擦リスクにも注意

チャックやカバン、リュックサック、枕など、日常生活に潜む摩擦リスクにも注意が必要です。

例えば、

  • ・アウターのチャックに髪を挟んでしまう
  • ・ショルダーバッグをかける際に髪を引っ張ってしまう
  • ・リュックを背負うときに髪が挟まる

といった行為は、気づかぬうちに髪に大きな負担をかけています。

寝るときも、ロングヘアの方は髪を軽くまとめる、またはナイトキャップを使うと、摩擦を防ぐことができます。

スタイリングによるダメージも存在する

ワックスやハードスプレー、逆毛(バックコーム)も髪に負担をかけます。
特にハード系のワックスやマット系のスタイリング剤は髪を固めるため、髪表面に強い負担がかかります。

また、逆毛はキューティクルを逆方向に引っ張るため、髪が非常に傷みます。
スタイリングによるダメージも、日常ケアとは別に意識しておきましょう。

シャンプーとトリートメントの量にも注意

意外と見落とされがちですが、シャンプーやトリートメントの使用量が少なすぎることも、髪にとってはダメージ進行の原因になります。

適量をしっかり使うことで、髪全体を保護し、摩擦や乾燥を防ぐことができます。

親水毛と水によるダメージ進行

ダメージ毛はなぜ乾きにくくなったり、さらに傷みやすくなったりするのでしょうか。
ここでは「親水毛」という状態と、それによるダメージ進行のメカニズムについて詳しく解説していきます。

親水毛とは?

私たち美容師は、ダメージが進んだ髪のことを「親水毛(しんすいもう)」と呼びます。
「親水」とは文字通り、水に親しい状態、つまり水を吸いやすい髪という意味です。

健康な髪は「疎水毛(そすいもう)」と呼ばれ、水を弾く性質を持っています。
しかし、ダメージを受けた髪は、キューティクルが開き、内部に空洞(ボイド)ができることで、
水分を内部に吸収しやすくなり、乾きにくくなってしまうのです。

なぜダメージ毛は乾きにくいのか

シャンプーをすると、髪に水がつきます。
通常であれば、髪の表面に水が留まる程度ですが、親水毛になると、ボイド(空洞)に水が入り込みます。

このため、ダメージ毛は内部にまで水分を抱え込み、ドライヤーで乾かしても乾きにくい状態になります。
特にブリーチを繰り返した髪(とろ毛)は、水分を非常に多く吸い込むため、乾燥に非常に時間がかかるのです。

水の出入りがダメージを進行させる

水が髪内部に入ると、当然、時間とともに蒸発して外に出ていきます。
この「水の出入り」が繰り返されることで、内部のコルテックス(髪の主成分)が一緒に流出してしまいます。

特に洗浄力の強いシャンプーを使った場合、界面活性剤の力によって、
髪内部の脂質やたんぱく質(コルテックス)がさらに奪われ、ダメージが加速していきます。

シャンプーとトリートメントで進行を防ぐ

だからこそ、シャンプーとトリートメントで毎日適切なケアをすることが非常に重要です。
シャンプーは、髪内部の空洞(ボイド)を擬似的にパテ埋めし、トリートメントはCMCで内部補修と表面保護を行います。

また、アウトバストリートメント(洗い流さないトリートメント)で表面にコーティングを施すことで、摩擦や熱、紫外線から髪を守る役割も果たします。

サロントリートメントの仕組みと限界

美容室で行うトリートメントも、髪内部のボイドを擬似的に埋めるものですが、結合が弱い成分(イオン結合、疎水結合)を使っているため、持続性は限定的です。

なぜ弱い結合の成分を使っているかというと、
強すぎる成分だとパーマやカラー施術に支障をきたしてしまうからです。
また、万が一頭皮に残留した場合にも、トラブルの原因となるリスクがあるためです。

あくまでサロン用トリートメントは、施術の補助的な役割と理解していただきたいと思います。

市販品と美容室用の違い

市販のシャンプーやトリートメントには、コーティング力が強すぎる製品も多く、それがかえって薬剤施術を邪魔してしまうこともあります。

美容室用のシャンプー・トリートメントは、髪への負担を抑えつつ、施術への影響を最小限にするよう設計されています。
正しいホームケアが、髪のダメージ進行を防ぐ鍵となるのです。

まとめ:髪を守るためにできること

今回、髪のダメージの本質について、かなり詳しくお話をしてきました。
少し難しい部分もあったかもしれませんが、これが本当の髪のダメージの仕組みです。

髪というのは、本来とても強い成分で作られています。
しかし、それでも薬剤、特にアルカリ剤などによって簡単にダメージを受け、場合によっては溶けてしまうほどの影響を受けます。

美容師である私が、こういった話をするのは本来なら避けた方が良いのかもしれません。
ですが、これが事実です。だからこそ、しっかりと知識と技術を持ってお客様に向き合うことが大切だと思っています。

もちろん、すべての美容師がそうであるとは限りません。
ですが、私たち美容師は、カットやパーマ、カラーといった技術においても、日々努力を重ねています。
カット一つとっても、すべてを理解して自由自在に扱えるようになるには、10年かかると言われています。
10年かかって、やっとスタートラインにたてるのがカット技術です。

それに加えて、薬剤知識や、毛髪診断、ダメージ診断、お客様へのヒアリング力も求められます。
お客様の髪がなぜ傷んでいるのか、何が原因でダメージが進行しているのかを探り、
それに対して最適な施術やアドバイスをしていくことも、私たちの仕事です。

ダメージというのは一言で片付けられるものではありません。
これだけ細かく分解して考えなければいけないものだということを、ぜひ知っていただけたら嬉しいです。

難しい内容だったかもしれませんが、少しでも参考になればと思います。
今回も最後までご覧いただき、本当にありがとうございました。
次回もぜひ、よろしくお願いいたします。

今回のコラム内容をより詳しく知りたい方は、こちらの動画を御覧ください。


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この記事を書いた人

名村 武彦 はじめまして。リベリュール・オーナースタイリストの名村(なむら)です。
リベリュールは艶やかにまとまる綺麗な髪をつくる事が得意な美容室です。髪を綺麗にするってとてもシンプルでカンタンです。
1人で悩んでいないで、ぜひお気軽にご相談下さい。 髪が綺麗になると毎日がとっても気持ちいいですよ!

はじめまして。リベリュール・オーナースタイリストの名村(なむら)です。
リベリュールは艶やかにまとまる綺麗な髪をつくる事が得意な美容室です。髪を綺麗にするってとてもシンプルでカンタンです。
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