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この記事について
脱白髪染めは本当に自分に合うのか。近藤サトさんをきっかけに広まった「脱白髪染め」という価値観について、マーケティングの視点から解説します。キャズム理論をもとに、なぜ今はまだしんどい時期なのか、そして挑戦するうえで大切な心構えについてお話しします。
今回は、脱白髪染めについてお話ししていきます。
近藤サトさんが白髪染めをやめたことで、「脱白髪染め」という言葉がキーワードとして広まりました。そういった価値観を世の中に提供してくださったのが、近藤サトさんです。
その言葉が広まってから、現場でもお客様から「いつまで白髪染めをすればいいですか」「脱白髪染めってどうなんですかね」と聞かれることが増えました。
それについて、今日はお話ししていきたいと思います。
僕自身は、「脱白髪染めってどうですか」と聞かれると、全然問題ないと思っているタイプです。ですので、今日は脱白髪染めそのものの是非というよりも、これからそれがどうなっていくのか、ということについてお話ししていきます。
この話は、少しマーケティングの話を交えながら進めていきます。脱白髪染めだけではなく、いろいろな商品や価値観にも当てはまる内容ですので、その点も含めてお伝えしていきます。
今回の話の軸になるのが、「キャズム理論」です。
これは、世の中に商品や価値観を提供するときに、その商品がどう広まっていくのか、あるいは広まらずに終わるのかを説明する考え方です。
たとえば、今こうして見ていただいているYouTubeも、最初はヒカキンさんやはじめしゃちょーさんのような先駆者が始めて、それが一般的に広まり、今では当たり前の存在になりました。
一方で、たとえばクラブハウスのように、一度は一気に盛り上がったものの、最終的には一般的な広がりまで届かなかったものもあります。
この違いを数値化して説明するのが、キャズム理論です。
キャズム理論では、人々をいくつかの層に分類します。
まず最初に動くのが「イノベーター」です。
YouTubeで言えば、ヒカキンさんやはじめしゃちょーさんのように、最初に始めた人たちです。
このイノベーターは、全体の約2.5%いるとされています。
次に、それを見て「何それ、面白そう」と入ってくるのが「アーリーアダプター」です。
こちらは13.5%です。
つまり、最初に新しいものに反応する人は、イノベーターとアーリーアダプターを合わせて約16%ということになります。
今回の脱白髪染めで言えば、近藤サトさんがイノベーターにあたります。白髪染めをやめていこうという価値観を世の中に提示したのが、今のスタート地点です。
もちろん、過去にも同じようなことをしていた方はいたと思います。ただ、テレビやメディアを通して一般的にその言葉が認知されてきた、という意味では、今まさにそのフェーズに入っているのだと思います。
現段階では、近藤サトさんというイノベーターが現れ、そこにアーリーアダプターの方たちが少しずつ反応し始めている、という状況ではないでしょうか。
その次に来るのが「マジョリティ」です。
いわゆる大多数の人たちです。
このマジョリティは、さらに「アーリーマジョリティ」と「レートマジョリティ」に分かれ、それぞれ34%ずついます。合計すると68%、つまり全体の約7割です。
多くの商品や価値観が本当に一般化するためには、このマジョリティ層まで広がらなければいけません。
しかし、イノベーター・アーリーアダプターと、マジョリティの間には「深い溝」があるとされています。これが「キャズム」です。
クラブハウスは分かりやすい例です。最初はイノベーターやアーリーアダプターが一気に始めて盛り上がりましたが、最終的にはこのマジョリティ層まで広がりませんでした。つまり、キャズムを越えられなかったのです。
逆にYouTubeは、このキャズムを越えることができたからこそ、みんなに認知される存在になりました。
これはYouTubeやクラブハウスに限った話ではありません。世の中には、このキャズムを越えられずに消えていった商品がたくさんあります。反対に、それを乗り越えて一般認知を得たものだけが生き残っていくのです。
なお、最後に「ラガード」という層もあります。
こちらは全体の16%ほどで、「流行は関係ない。私は自分の道を行く」というタイプの方たちです。
この方たちは、脱白髪染めが流行ろうが流行るまいが、特にそこへ参入することはありません。
もう一度整理すると、今の脱白髪染めは、近藤サトさんをきっかけに価値観が提示され、現在はアーリーアダプターが少しずつ動いている段階です。
ただし、このキャズムを越えなければ、一般的には広がっていきません。
イノベーターのつらいところは、この価値観が世間で受け入れられるかどうかがまだ分からないことです。賛否両論があり、批判を受けることもあります。
脱白髪染めに限らず、新しい価値観は必ず叩かれます。
たとえばYouTuberという職業もそうでした。今でこそ一般的に認知され、受け入れられていますが、最初の頃は「YouTuberだけで生活していけるなんて信じられない」といったことを、現場でもたくさん言われていました。
それと同じで、脱白髪染めも今はまだ、いろいろな意見が寄せられやすい時期です。だからこそ、イノベーターやアーリーアダプターの方は、そこを耐えなければいけない時期にいるのだと思います。
近藤サトさんご本人は別として、今「脱白髪染めにチャレンジしたい」と考えているお客様は、周囲からさまざまな意見を言われることを、ある程度覚悟しなければいけません。これが今のフェーズです。
僕のお客様で、過去に脱白髪染めにチャレンジされた方がいらっしゃいました。今から10年くらい前のことです。
当時は、まだ「脱白髪染め」という言葉自体はありませんでしたが、そのお客様は白髪染めをやめて、白髪のまま生活していきたいと考えておられました。
髪の長さは、ちょうど僕ぐらいの長さで、耳が半分隠れるくらいでした。もともとは真っ黒に染めていたのですが、白髪染めをやめると、当然ながら根元から白髪が伸びてきます。
大体、半年から8か月くらいが一番つらい時期です。根元は真っ白、毛先は黒い、という状態になるからです。
そのお客様は、白髪の割合が90%以上ありました。前のほうに関しては、黒がまったくない100%の状態でした。
つまり、根元から真っ白な髪が伸びてきて、毛先には黒が残っている状態が続くわけです。これは、かなりのストレスです。
その方は、帽子をかぶりながら1年半頑張りました。黒い部分がなくなるまで、ずっと我慢して過ごされたのです。
しかし、最終的には白髪染めを再開されました。
僕は担当として、その1年半の苦労を間近で見てきました。
白髪染めをやめて真っ白になったとき、そのお客様は帽子をかぶって過ごしておられました。そして帽子を外して、ご近所の方やお友達に会うこともあります。
そのときに言われたのが、「どうしたの」「何があったの」「そんなに白髪あったんだ」といった言葉でした。
中でも一番多かったのが、「誰か分からなかった」という言葉だったそうです。
この「誰か分からなかった」という言葉や、そのたびにいちいち説明しなければいけないことに、心底疲れてしまったとのことでした。
そして最終的に、「もう疲れてしまったので、白髪染めをもう一度します」とおっしゃって、脱白髪染めではなく、再び白髪染めをされるようになりました。
そのお客様の例を見ても分かるように、脱白髪染めで大変なのは、見た目の変化そのものだけではありません。
むしろ大きいのは、周囲の反応です。
今の時期は、脱白髪染めという価値観がまだ十分に広まっていないため、いろいろな人からいろいろな意見を言われやすい段階です。
だからこそ、脱白髪染めに挑戦するうえで一番大切なのは、メンタルの強さだと思います。
先ほどお話ししたように、キャズムを越えて世間に広がってくれば、周りの人の見方も変わってきます。
「あ、白髪染めをやめていっているんだな」
「あ、脱白髪染めを頑張っているんだな」
そういうふうに認識されるようになれば、言われる言葉も変わってきます。応援に近い反応になっていくはずです。
ですが、今の段階では、先ほどのお客様のように「誰か分からなかった」「どうしたの」と言われてしまいやすい。それが、今のイノベーターにとって大変なところなのだと思います。
だから僕は、お客様にこうお話ししています。
周りからいろいろ言われることに耐えられるのであれば、脱白髪染めは全然いいと思います。
ですが、もしそれに耐えられないのであれば、今はまだ少し時期が早いかもしれません。もう少し世間の価値観が変わり、時代が進むまで待ったほうがいいのではないか、とご説明しています。
このキャズムは、1年で越えることもあれば、10年かかることもあります。非常に期間が長く、いつ越えるのかは分かりません。
だからこそ、この分からない期間をどう生活していくかが、とても大切になります。その点は、ぜひ念頭に置いていただけたらと思います。
今回は、脱白髪染めについて、マーケティングの話も交えながらご説明しました。
これは、YouTubeやクラブハウスのようなサービスだけでなく、いろいろな商品や価値観にも当てはまることです。流行というのは、このようにして起きていきます。
ですので、今後、世間の価値観がどう変わっていくのか、その動向を見ながら、ご自身が迷っているのであれば、「そろそろ私もやろうかな」と思える時期がいつか来るかもしれません。
その時期まで、無理をせず待つこともひとつの選択だと思います。
今回のコラム内容をより詳しく知りたい方は、こちらの動画を御覧ください。
▼LIBELLULEの予約ページはこちら
https://libellule-hair.com/salon#reserve
▼LINALIAの販売ページはこちら
https://linalia.theshop.jp/
この記事を書いた人
名村 武彦
はじめまして。リベリュール・オーナースタイリストの名村(なむら)です。
リベリュールは艶やかにまとまる綺麗な髪をつくる事が得意な美容室です。髪を綺麗にするってとてもシンプルでカンタンです。
1人で悩んでいないで、ぜひお気軽にご相談下さい。
髪が綺麗になると毎日がとっても気持ちいいですよ!
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