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この記事について
ヘアケアとは、そもそも何をすればよいのでしょうか。本記事では、18年以上毛髪科学に基づいた施術を行ってきた美容師が、毛髪科学の考え方から髪の構造、ケラチンやCMCの役割、そしてシャンプー・トリートメント・アウトバスが重要な理由まで詳しく解説します。
こんにちは、名村武彦です。
今回は「毛髪科学」についてお話ししていきたいと思います。
ヘアカラーやヘアケアについて、お客様からさまざまなお声をいただきます。
「そもそもヘアケアとは何なのか?」
「何をすればいいのか?」
こうしたことが、なかなかお客様に正しく伝わっていないと感じています。
ヘアケアを考えるうえでは、毛髪科学がとても大切です。
今回は、その内容を一つにまとめてお伝えしていきたいと思います。
まず、「毛髪科学とは何ですか?」というところからお話しします。
僕は毛髪科学を、
「美容業界で培われてきた、髪を科学的に研究する学問」
と定義しています。
実は、「毛髪科学とは何か?」ということについて、僕自身いろいろ調べたり、さまざまなメーカーさんに聞いたりしてきました。
しかし、明確な定義というものは存在していませんでした。
そのため、僕はこのように定義しています。
さまざまな研究者の方やメーカーの方、美容師さんがこの内容をご覧になっても、大きく的を外してはいないと思っています。
ここで一つ大切なことがあります。
髪については、まだ100%解明されているわけではありません。
そのため、今回お話しする内容についても、今後の研究によって変わる可能性があります。
その点だけは、あらかじめご理解いただければと思います。
では、「ヘアケアとは何ですか?」ということについてお話しします。
僕はお客様に、
「ヘアケアとは、毛髪科学に基づいて髪をきれいにすることです」
とお伝えしています。
具体的には、今回の動画の結論にもなりますが、ヘアケアに必要なのは、
シャンプー・トリートメント・アウトバス
の3点です。
基本的には、この3つで大丈夫です。
さまざまな広告や美容師さんのSNS投稿を見ていると、きれいでツヤツヤ、サラサラな髪の毛を目にすると思います。
しかし、こうした見た目には「スタイリング」が非常に大きく関わっています。
ヘアケアとスタイリングは、イコールではありません。
シャンプー・トリートメント・アウトバスの3点を使ったからといって、それだけで髪の毛がツヤツヤ、サラサラになるということではありません。
僕自身、くせ毛です。
雨が降ったり汗をかいたりすると、髪の毛がチリチリしたり、ふわふわしたりします。
これは、髪の毛が「きれいに見えない」状態です。
しかし、「髪の毛がきれいではない」ということではありません。
つまり、ヘアケアとは「髪の毛をツヤツヤ、サラサラに見せること」ではありません。
くせ毛の方が、くせによって髪がふわふわしたり、チリチリしたりしていたとしても、きちんとヘアケアができていれば、その髪はきれいな髪です。
ここは、ぜひ覚えていただきたいポイントです。
そうでなければ、
「くせ毛=きれいな髪ではない」
という方程式が成り立ってしまいます。
実際、このような考え方は世間一般にも幅広く受け入れられているように感じます。
しかし、「きれいな髪」と「きれいに見える髪」はまったく違います。
僕がお伝えしているヘアケアとは、シャンプー・トリートメント・アウトバスの3点を、毛髪科学に基づいて使用していくことです。
重ねて申し上げますが、ヘアケアとスタイリングは別です。
美容師さんがSNSなどで髪をサラサラ、ツヤツヤに見せていることがあります。
しかし、あれは集客用としてスタイリングを行い、場合によっては加工もされたものです。
ヘアケアそのものとは別物になりますので、この点はぜひ覚えておいてください。
ここまでお伝えしたところで、一般的な情報と、今回僕がお伝えしている情報との違いについても説明します。
世の中には、アフィリエイトやSEO対策を目的として作られた記事、美容師ではない方が発信している情報などが数多くあります。
こうした情報の中には、商品を売ることを目的として作られたものも多く、必ずしも毛髪科学と結びついているわけではありません。
僕自身、現場で仕事をしている立場から見ると、間違っていると感じる情報も非常に多いです。
特に広告について、僕は「合法的な範囲での騙し合い」のような側面があると考えています。
もちろん、違法な騙し方をしてはいけません。
しかし、合法的な範囲の中で、いかに商品を魅力的に見せ、お客様に購入してもらうかという目的があります。
そのため、世の中にある情報の多くは、「商品を売りたい人が、商品を売るために作った情報」である可能性があります。
一般的に認知されている情報と、今回お伝えする毛髪科学に基づいた内容は異なるということを、ぜひご理解ください。
ここまで「科学」という話をしてきました。
では、なぜ美容師である僕が、このような話をしているのか。
本来、科学について語るのであれば、大学や大学院などでしっかり研究をしてきた方々がお話しするのが筋だと思います。
では、職人である美容師の僕が、なぜこのようなお話をしているのか。
僕は毛髪科学に基づいて、18年以上、お客様に技術をご提供してきました。
美容師としては20年以上になりますが、毛髪科学と出会ってから18年以上になります。
美容業界には、美容室専門のメーカーが何十社と存在しています。
僕はこれまで、それぞれのメーカーの理論や商品を継続的に検証してきました。
そして、2万人以上のお客様と向き合ってきました。
その中で、実際に結果が出たことだけをお伝えできるのではないかと考え、この毛髪科学について発信しています。
僕は昔から、お客様とマンツーマンで施術をしています。
20年以上美容師をしていて2万人以上のお客様なので、数字だけを見ると、もしかすると少ないと感じる方もいるかもしれません。
アシスタントさんを使いながら複数のお客様を掛け持ちすれば、もっと多くのお客様を担当することもできます。
しかし、マンツーマン美容師の場合、シャンプーからすべての技術を一人で行います。
だからこそ、お客様の髪の毛がどのような状態なのかを細かく確認できます。
18年以上にわたり、各メーカーの研究員や担当者の方とさまざまなお話をしてきました。
僕たちの業界には「臨店講習」というものがあり、メーカーの方にお店へ来ていただき、商品の理論などを説明していただく機会があります。
そういったことを、ずっと続けてきています。
そのため、ある程度の知識は持っています。
もちろん、僕自身は研究員ではありません。
さまざまな会社でもあると思うのですが、マーケティング部門と研究部門では、意見が一致しないことがあります。
「いがみ合う」と言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、相容れない部分が出てくることはあると思います。
例えば、マーケティングや営業の方は、お客様やエンドユーザーの声を聞き、それをフィードバックとして研究部門へ伝えます。
しかし研究員からすると、
「そんなことはできない」
ということもあります。
こうした構図は、さまざまな会社にあると思います。
それと同じように、僕たちは職人です。
現場で、お客様に技術をご提供しています。
研究員の方から聞いた内容を実際に現場で行ってみると、結果が出ないことも非常に多くあります。
もちろん、研究員の方々は素晴らしい研究をされており、僕自身も非常にリスペクトしています。
しかし、その研究結果が実際にすべてのお客様に当てはまるかというと、最終的には美容師という技術者が、お客様の髪質をどのように診断し、どのような技術を提供するかに関わってきます。
だからこそ、僕は「現場が一番大切」だと思っています。
さまざまなメーカーさんから研究のお話を聞き、2万人以上のお客様に技術をご提供してきました。
その結果、僕が行き着いたのが、
シャンプー・トリートメント・アウトバス
の重要性です。
そのため、お客様にもこの3つについてお伝えしています。
科学的な化学式まですべて自分の中に落とし込んでいるわけではないため、その部分では研究員の方には及ばないと思います。
ただ、職人の「勘」と言いますか、20年以上美容師をしていると、手で触れた感覚から、ある程度のことがわかるようになります。
そして、その感覚はほとんど外れません。
例えば、漁師さんが天気予報を当てるようなものです。
雲を見たり、湿度を体感したりすることで、
「これから雨が降る」
とわかるように、僕たち美容師も髪を触り、シャンプーをして乾かすことで、その髪の状態がある程度わかります。
僕たちは職人ですが、そこに毛髪科学を組み合わせることで、お客様に喜んでいただいてきました。
その結果として、今回のようなお話ができます。
現在は「エビデンス」が非常に重要視される社会ですが、現場で積み重ねてきた結果という意味では、ある程度のエビデンスが取れている内容だと考えています。
その点についても、ご安心いただければと思います。
前置きが長くなりましたが、ここから「毛髪科学とは何なのか?」ということで、髪の構造についてお話しします。
髪の毛は、主に80〜90%のケラチンというタンパク質で構成されています。
ケラチンは、アミノ酸の集合体です。
それ以外には、
などが含まれています。
メラニンとは、黒い髪の毛の色を作るメラニン色素です。
また、髪の毛には微量元素も含まれています。
わかりやすい例として覚醒剤があります。
例えとして適切ではないかもしれませんが、覚醒剤の使用について髪の毛から成分を検出することがあります。
このように、さまざまな微量元素が髪の毛には含まれています。
これらが、髪の毛を構成している成分です。
髪の毛ではケラチンが非常に重要ですが、その次に重要なのが「CMC」です。
CMCについては、このあと詳しく解説します。
CMCは、脂質57%、タンパク質43%で構成されています。
脂質には、セラミドやコレステロールなどがあります。
タンパク質には、低分子・中分子・高分子のPPT、またはケラチンなどを、目的に応じて配合します。
これらを組み合わせることで、CMCを補うという考え方になります。
よく販売されている商品の中に、
「CMC配合」
「コレステロール配合」
などと書かれているものがあります。
しかし、僕はその表記だけでは意味がないと考えています。
確かに、コレステロールはCMCを構成している成分の一つです。
同じようにセラミドも構成成分の一つですが、セラミドだけが入っていればよいという話ではありません。
そのあたりは、ぜひ商品の宣伝文句だけに惑わされないようにしてください。
PPTとケラチンは、美容業界で幅広く使われている毛髪補修成分です。
毛髪補修成分として使われているものは、実はそこまで多くありません。
PPTやケラチンは広く使用されており、髪の毛を擬似的に補修する成分として、美容室の施術でも使用されています。
髪の毛は、大きく分けると3層構造になっています。
です。
かっぱ巻きに例えると、非常にわかりやすいです。
キュウリが「メデュラ」、お米が「コルテックス」、海苔が「キューティクル」です。
これが髪の毛の基本的な構造になります。
実は、メデュラについてはまだ解明されていません。
なぜメデュラが存在するのか。
また、メデュラがない人もいると言われています。
そのため、メデュラが存在する理由や役割については、現在も明確には解明されていません。
一つの説として言われているのが「クッション」の役割です。
髪の毛は、もともと頭を守るために生えています。
そのため、外的な刺激から頭を守るためのクッションとして、メデュラが存在しているのではないかと考えている研究者の方もいます。
ただし、これも一つの説であり、まだ解明されているわけではありません。
続いて、コルテックスについて説明します。
髪の断面を見ると、中心部分にメデュラがあります。
その周囲にはコルテックスがあり、実際にはお米の粒のように非常に密に詰まっています。
コルテックスは、ケラチンが束になった繊維状のものです。
しかし、コルテックスは単体ではくっつくことができません。
そこで必要になるのがCMCです。
CMCが接着剤のような役割を果たし、コルテックス同士をつなぎ合わせています。
つまり、CMCがなければ、髪の毛はボロボロと崩れてしまうと考えてください。
コルテックスに存在するCMCのことを「コルテックス間CMC」と呼びます。
続いて、キューティクルです。
キューティクルは、3〜12枚程度の層が重なって構成されています。
この枚数は髪質によって異なります。
細い髪の方の場合は3枚程度。
平均では7〜8枚程度と言われています。
一方、とてもツヤがあり、太い髪の方では12枚程度あることもあります。
さらに、1枚のキューティクル自体も、7〜8層程度で構成されています。
7〜8層と表現している理由は、出典によって説明が異なるためです。
8層と説明している研究者の方もいれば、7層と説明している方もいます。
ただし、代表的な構造として、
の3つについては、共通した認識として存在しています。
そのため、まずは、
「エピ・エキソ・エンド」
の3つで一つのキューティクルを構成していると覚えていただいても問題ありません。
この1枚のキューティクルが、3〜12枚重なっているということです。
キューティクルも、単体ではくっつくことができません。
ここでも接着剤の役割を果たすのがCMCです。
キューティクル同士の間に存在するCMCを「キューティクル間CMC」と言います。
髪の毛ではケラチンが非常に重要なのですが、ここまで見ていただくと、CMCの重要性もおわかりいただけると思います。
CMCは脂質とタンパク質から構成され、髪の毛のさまざまな場所に存在しています。
そして、CMCがなければ髪の構造をつなぎ合わせることができず、バラバラと崩れていってしまいます。
このCMCを溶かしてしまうものの一つが「アルカリ」です。
つまり、パーマやヘアカラーなどが関係します。
また、熱によってCMCが硬くなったり、損傷したりすることもあります。
こうした内容については、髪のダメージのお話をするときに改めて詳しく解説したいと思います。
今回はまず、
「髪の毛がどのような成分・構造でできているのか」
ということをご理解いただければと思います。
世の中には、たくさんの情報があります。
冒頭でもお話しした通り、世の中にある情報の中には、商品を売りたい人が、商品を売るために作ったものが数多くあります。
なぜ僕がそのように断言するのか。
それは、20年以上現場でお客様に技術をご提供してきたからです。
何度もお伝えしますが、僕は「現場が一番大切」だと思っています。
昔、『踊る大捜査線』という作品がありました。
その中に、
「事件は会議室で起きているんじゃない。現場で起きているんだ」
という有名な言葉があります。
若い方はご存じないかもしれませんが、僕はまさにその通りだと思っています。
髪の毛のトラブルは、研究所で起きているわけではありません。
現場で起きています。
そして、その髪の状態を僕たち美容師が診断し、お客様の髪をきれいにしていく。
それが僕たちの仕事です。
だからこそ、現場から見ると、一般的に発信されている情報の中には間違っているものも非常に多いと感じています。
毛髪科学は非常に奥が深い分野です。
しかし、お客様自身がこれだけ複雑な内容をすべて覚える必要はありません。
ヘアケアは、毛髪科学に基づいて行えばよい。
そして、ご自宅ですることは、
シャンプー・トリートメント・アウトバス
の3つでいいと僕は考えています。
なぜ、この3つでいいと断言できるのか。
僕は毛髪科学に出会ってから18年以上、さまざまなトリートメントを研究してきました。
さまざまな髪質を見て、さまざまな技術を試してきました。
その結果、
「シャンプー・トリートメント・アウトバスをきちんと行えば、髪の毛はきれいになる」
という結論に行き着きました。
ですので、ご自宅で行うヘアケアは、この3点で問題ありません。
今回の内容では、まずこのことを覚えていただければと思います。
最後に付け加えておきたいのが、美容室で行う技術も非常に大切だということです。
僕はいつもブログでもお伝えしていますが、
「美容師の技術」と「自宅でのヘアケア」は、車の両輪のような関係です。
どちらか一方が崩れてしまうと、うまく進むことができません。
自転車も、片方の車輪だけではうまく走ることができません。
それと同じように、美容室での技術と、ご自宅でのヘアケアは対になっています。
適切な施術を受けること。
そして、適切なヘアケアを行うこと。
そのヘアケアとして、
シャンプー・トリートメント・アウトバス
をきちんと行っていただければ、髪の毛はきれいになっていきます。
ぜひ、今回の内容を参考にしていただければと思います。
今回のコラム内容をより詳しく知りたい方は、こちらの動画を御覧ください。
▼LIBELLULEの予約ページはこちら
https://libellule-hair.com/salon#reserve
▼LINALIAの販売ページはこちら
https://linalia.theshop.jp/
この記事を書いた人
名村 武彦
はじめまして。リベリュール・オーナースタイリストの名村(なむら)です。
リベリュールは艶やかにまとまる綺麗な髪をつくる事が得意な美容室です。髪を綺麗にするってとてもシンプルでカンタンです。
1人で悩んでいないで、ぜひお気軽にご相談下さい。
髪が綺麗になると毎日がとっても気持ちいいですよ!
はじめまして。リベリュール・オーナースタイリストの名村(なむら)です。
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