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この記事について
デパートコスメ(デパコス)のシャンプーは、実際に良い成分を使っているのか?という多くの方が抱く疑問に、現場経験をもとに丁寧に解説します。成分表示だけでは分からないブランドの価値や、デパートに商品が並ぶまでのハードル、体験価値、そして高級コスメに込められた企業努力や信頼性について、具体例を交えながら分かりやすくご紹介します。デパコスを選ぶ意味や本質を知りたい方におすすめの記事です。
お客様からよく尋ねられる「デパコスのシャンプーは実際に良い成分を使っているのか」という点について、私の考えをお伝えいたします。
まず結論から申し上げますと、「使っていると思います」としか申し上げられません。多くの方が「良い商品だから高いのだ」と考えることがあると思います。
私自身も、高額な商品は良いものであるという考え方で商品を選ぶことがあります。
しかし、これは半分正解であり、半分は誤りでもあります。その理由について、これから詳しくご説明いたします。
商品を開発する際には、さまざまな考え方があります。
その中の一つとして「高く売るためにはどうするか」という視点があります。
例えば、日本で最大の化粧品メーカーである資生堂様は、マキアージュや雪肌精、クレ・ド・ポー ボーテなど、複数のブランドを展開しています。
それぞれのブランドには異なるターゲットが設定されており、ドラッグストアで購入できる商品、ドラッグストア内でも高価格帯の商品、さらにはデパートでしか購入できない商品といった区分があります。
デパートで購入していただくためには、どのような商品を開発すれば良いのか、という発想のもとで商品開発が進められているということを、ぜひ覚えていただきたいと思います。
これ以外にも、実はデパートに商品が置かれているだけで非常に価値があります。
例えば、私は現在シャンプーの開発に携わっていますが、「私のシャンプーは非常に良いです」と自信を持っております。
例えば東京の場合、新宿伊勢丹が近いのですが、「新宿伊勢丹で取り扱ってもらいたい」と考えることがあります。
しかし、商品だけを持参して、私の素性も分からないまま伊勢丹のバイヤーにお会いしても、絶対に取り扱ってもらうことはできません。
そこにはさまざまな要素があります。会社の信頼性や売上、そしてその商品が本当に売れるかどうかといった点が重要視されます。
そのためのプレゼンテーションも必要となります。こうした条件をクリアして初めて、デパートに商品を置いてもらえるのです。
ですから、デパートに商品が並ぶだけでもブランドとしての価値があると言えます。
なぜこれほど難しいのかと言いますと、デパートには売り場面積という限りがあります。
例えば、100坪の売り場であれば、その中でどれだけ売上をあげられるかが求められます。
デパートとしての信頼価値を損なわないブランドでなければなりませんし、売上が芳しくなければすぐに撤退を余儀なくされます。
これはデパートで勤務されている方であれば、すぐにご理解いただける内容かと思います。それほど、デパートに商品が並ぶことは厳しい条件をクリアしなければならないことなのです。
高価格だから良い商品という側面も確かにありますが、デパコスというものに関しては、そもそもデパートに並んでいるだけで価値があるのだということを、ぜひご理解いただきたいと思います。
ここでもう一つお伝えしたいことは、ブランドとは何かということです。この点についても、ぜひご理解いただきたいと思います。
この内容は、グロービス経営大学院様から一部抜粋しております。
最初にご紹介したいのはフィリップ・コトラー氏の言葉です。
フィリップ・コトラー氏は、経営やマーケティングを学ぶ方なら必ず通る道であり、世界的な権威です。コトラー氏が提唱しているブランドの定義について、少しご紹介させていただきます。
フィリップ・コトラー氏は、ブランドを「個別の売り手または売り手集団の財やサービスを識別させ、競合する売り手の製品やサービスと区別するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはこれらの組み合わせ」と定義しています。しかし、正直申し上げてこの定義を聞いても、ほとんどの方がピンとこないのではないでしょうか。つまり、ブランドというものは一言で言い表すことができないほど、複雑で多面的な存在だと言えます。
実際、ブランドは有形無形の複合的な価値によって成り立っています。
無形の価値とは、デパートに行って買い物をするという体験や、デパートの店員によるサービスを受けるという体験、そしてそのサービス自体がもたらす満足感などを指します。
有形の価値とは、たとえばルイ・ヴィトンやグッチ、エルメスといったブランドのバッグなど、実際の商品のことです。
有形・無形、両方の価値が合わさることで、ブランドが形作られていくのです。
さらに、ブランドにはルイ・ヴィトンやグッチ、エルメスといったブランドが約束する、一定の属性というものがあります。
その属性とは、ファンであったり、文化、価値観、歴史、パーソナリティといったものです。これらがきちんと理解され、評価されて初めて、ブランドとしての本当の価値が生まれます。
そのためには、長年にわたる地道な努力や、顧客との信頼構築が不可欠です。
こうしたさまざまな要素をすべて含めてブランドと呼ぶのだと私は考えています。
そして、ブランドというものこそが、デパコスの一つの大きな価値であるのではないかと、私は思っています。
私は先ほど「使っていると思います」とお話ししましたが、実際に有形の商品、たとえばシャンプーの成分表示を見て、それが本当に良い成分を使っているのかどうかを判断するのは非常に難しいのが現実です。
例えば、界面活性剤だけでも何十万種類と存在し、その中には良い界面活性剤もあれば、そうでないものもあります。
それを成分表示だけで判断できるかと言えば、私自身でも正直分かりません。
そのため、ブランドが約束する一定の価値を信頼し、デパコスの商品を購入するという行動につながっているのではないかと考えています。
また、ブランドバッグだけではなく、デパコスのような化粧品でも、デパートで美容部員から直接説明を受けて購入するという体験価値があります。
こうした体験もデパコスには含まれているのだとご理解いただければと思います。
一言で言い表すことはできませんが、例えば資生堂様の最高級ブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」が悪い成分を使っているということは考えられません。
クリーム一つとっても5万円、10万円という高額な商品であれば、成分もその価格にふさわしい上のランクのものが使われています。
これは「高く売るためにはどうするか」「10万円で買ってもらうにはどうするか」という観点から開発されている商品だからです。
あるメーカーの工場で働いているお客様から伺った話ですが、例えば30万円のクリームを作る際には、ボトルデザインとしてバカラのボトルを使うということがあります。
このようにして付加価値をどんどん重ねていき、商品として世に送り出していく手法も存在します。
30万円のクリームが悪い成分を使っているかと言えば、それはブランドの価値や歴史、パーソナリティ、文化を損なうようなことは、上場している会社であれば絶対にしないと断言できます。
ただし、高額な商品が必ずしも良い成分を使っているとは限りません。
特に上場していない会社が高額な商品を販売している場合、本当に良いものを使っているかどうかは疑問が残ります。
今回お伝えしたいのは、あくまでデパコスについての話です。デパコスブランドは、その会社の文化や歴史、価値観を損なわないように、良いものを作っているのではないかと私は考えています。
今回の内容は、私自身の個人的な感想も含まれておりますが、デパコスというブランドは一言では言い表すことができない複雑な価値を持っていると考えています。
「高いから良い」という単純な話ではなく、企業努力やブランドとしての信頼、さらにはデパートでの体験価値など、さまざまな要素が絡み合っているのがデパコスの本質です。
ビジネスの現場では、こうした複雑な要素が絡み合いながら成り立っています。今回の話を通して、全体像だけでもご理解いただければ幸いです。
今回のコラム内容をより詳しく知りたい方は、こちらの動画を御覧ください。
▼LIBELLULEの予約ページはこちら
https://libellule-hair.com/salon#reserve
▼LINALIAの販売ページはこちら
https://linalia.theshop.jp/
この記事を書いた人
名村 武彦
はじめまして。リベリュール・オーナースタイリストの名村(なむら)です。
リベリュールは艶やかにまとまる綺麗な髪をつくる事が得意な美容室です。髪を綺麗にするってとてもシンプルでカンタンです。
1人で悩んでいないで、ぜひお気軽にご相談下さい。
髪が綺麗になると毎日がとっても気持ちいいですよ!
はじめまして。リベリュール・オーナースタイリストの名村(なむら)です。
リベリュールは艶やかにまとまる綺麗な髪をつくる事が得意な美容室です。髪を綺麗にするってとてもシンプルでカンタンです。
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