黄色くならない薬剤設定とは？

今回のテーマは「カラーをしても黄色くならない薬剤設定」についてです。

髪を明るくしたいわけではないのに、時間が経つとどんどん退色して黄色っぽくなり、パサついて見える──そんなお悩みを抱える方はとても多いです。

実際、当店にも「カラーをしてもすぐに色が抜けてしまう」「パサつきが気になる」といった相談が数多く寄せられています。

中には「カラーをした2〜3週間後にはもう退色してしまい、月に2回カラーやトリートメントに行っている」という方もいますが、これは明らかに薬剤設定が合っていない状態です。

ここでは少し専門的な話になりますが、色持ちを左右する「薬剤設定」について解説します。

カラーは「明度」と「彩度」で決まる

カラーは基本的に「明度」と「彩度」という2つの軸で構成されています。

そして日本人の髪はもともと赤みが強いという特徴があります。

また、カラーの世界では「黒」という色は存在せず、赤・青・黄色を混ぜることで黒に近づけているのです。
つまり、日本人の黒髪には赤が多いため、赤系の色素を入れることで色持ちが良くなるという考え方になります。

明度が高いほど、色は落ちやすい

カラー剤の特性として、明度（明るさ）が高くなるほど退色しやすくなります。
また、彩度（色の濃さ）が薄いほど、色落ちしやすいという性質があります。

したがって、カラーの色持ちを重視するなら、

中明度・中彩度のカラーが最も色持ちが良い

中明度・高彩度のカラーが発色の良いバランス

という基本を覚えておくとよいでしょう。

レベルスケールで見る髪の明るさ

こちらが、髪の明るさを示す「レベルスケール」です。
1〜20レベルの数値で表し、数字が大きいほど明るくなります。

日本人の標準的な黒髪は4〜5レベル。
そこから徐々にオレンジ、黄色、白と進むにつれ、脱色が進行していきます。

国内メーカーの多くは9レベルを基準に設計しています。
9レベルが最も発色が美しく作られており、それ以上になると色持ちが悪くなりやすい傾向にあります。

特に10レベルを超えると、色がほとんど持たないと考えてください。

色持ちを良くするなら「9レベル以下」が目安

色持ちを重視する場合、まずは明るさを9レベル以下に落とすことが大切です。

理想は8レベル程度。
12〜13レベルなどの明るい髪から8レベルに落とすと、最初はどうしても色が抜けやすくなります。

しかし、2〜3回のカラーで色素を補正していくことで、色が定着していきます。

つまり、

このように段階的に色を安定させていくのが理想です。

黄色くならないカラー剤設定のポイント

黄色くならない薬剤設定の条件をまとめると、以下の通りです。

① 明度は「8〜9レベル以下」に設定

明るすぎるカラーは色が抜けやすく、黄色っぽくなりやすいです。
9レベルを超えると色持ちは一気に悪くなります。

② 彩度は「中〜高」でしっかり色味を入れる

薄いペールトーンよりも、中彩度のしっかりとした色味を選びましょう。

③ カップ（薬剤）を分けて塗ること

特にトーンダウン（暗くする）場合は、根元と毛先で薬剤を分けることが大前提です。

1つのカップで全体を塗ると、
→ 色持ちが悪くなり
→ 黄色くなりやすくなります。

美容師さんが根元用と毛先用でカップを分けているかは、実は仕上がりと色持ちを大きく左右するポイントなのです。

カラーシャンプーでの色素補正も有効

明るい髪色の方は、カラー後にどうしても退色が早くなります。
そんなときは、カラーシャンプーで毎日色素を補うのがおすすめです。

これにより、色素が抜けて黄色くなるのを抑え、きれいな色味を長く維持できます。

まとめ：中明度×中彩度が色持ちのカギ

カラーの色持ちを良くし、黄色くならないためには以下の3点を覚えておきましょう。

明度は8〜9レベル以下に設定する

彩度は中彩度以上でしっかり色を入れる

カップを分けて根元と毛先で薬剤を塗り分ける

この3つを守ることで、色落ちを防ぎ、黄色くならないカラーを長く楽しむことができます。

美容師さんに相談する際は、
「中明度・中彩度で、黄色くなりにくいカラーにしたいです」
と伝えると、より的確な提案をしてもらえるはずです。

今回のコラム内容をより詳しく知りたい方は、こちらの動画を御覧ください。

▼LIBELLULEの予約ページはこちら
https://libellule-hair.com/salon#reserve

▼LINALIAの販売ページはこちら
https://linalia.theshop.jp/