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この記事について
シャンプーの成分表示はどう見ればいいのか。水・界面活性剤・助剤という基本構造から、コーティング系とパテ埋め系の違い、大手メーカーの原価構造まで、美容師の視点で分かりやすく解説します。
今回は、シャンプーの成分の見方についてお話ししていきたいと思います。
シャンプーやトリートメント、そしてお顔の化粧品もすべて同じですが、最終的には作った人、処方した工場とその処方をした人にしか分からない部分があります。「こういう目的でこの成分を入れました」ということは、作った人にしか分からないのです。ですので、今回は「一般的にはこういう風に作られていますよ」というお話をさせていただければと思います。
その中で、コーティング系のシャンプーにはこういう傾向がありますよというお話をさせていただき、続けてパテ埋め系にはこういう傾向がありますよというお話をさせていただこうと思います。
まず結論だけお伝えすると、パテ埋め系のシャンプーというのは一般的には販売されていません。美容室業界にしか流通していないものになります。市場で売られている商品の中で、そういった価値観を提供しているメーカーはゼロですので、探しても見つからないと考えてください。
そのために私はこのYouTubeで、サロン品と市販品との違いをお伝えしているわけです。まずは「パテ埋め系は市販されていない」ということをご理解いただければと思います。
その上で、シャンプーがどのように作られているのかをお伝えしていきますので、参考になれば嬉しく思います。
シャンプーの構造は、実はどの商品もほとんど同じ設計になっています。まずはその基本の流れから見ていきましょう。
基本的にシャンプーは、成分表示の裏を見た時に「水」が一番最初にきます。成分表というのは含有量の多い順に記載されているため、そのままの意味で、シャンプーはほとんどが水でできているということになります。
そして次に界面活性剤が入っています。これは基本的にどのシャンプーも構造は同じです。
一部、特徴のあるシャンプーに関しては「うちは水を使わずにこういうものを使っています」とうたっているケースもあります。例えば私たちの業界で言うと、フムスエキスを使い、そこに界面活性剤をプラスすることで「成分がとても良いんです」と謳っているメーカーもありますが、これらは例外です。基本的にはもう水と界面活性剤で作られていると考えてください。
そこに加わるのが「助剤」です。今回、主にお話しするのはこの助剤の部分になります。助剤にはものすごくたくさんの種類があるため、順を追って整理していきます。
よくシャンプーの話題で取り上げられるのは界面活性剤の話で、代表的なものは高級アルコール系です。市場でも一般的に売られており、その代表的なものがラウレス硫酸ナトリウムになります。
よくラウレス硫酸ナトリウムとラウリル硫酸ナトリウムを混同されている方が多いのですが、近年のシャンプーに関してはラウリル硫酸ナトリウムは少なくなっていると思います。市販のシャンプーはあまり詳しく調べていないため、あくまで「おそらく」という前提でお話しさせてください。基本的にはラウレス硫酸ナトリウムが主流になっていると思います。
これは石油から作られることは今ではほぼないそうで、ヤシの実から作られていることが多いようです。ですので、現段階での私の情報としては、これも天然の界面活性剤であると理解しています。
ここで大前提としてお伝えしたいのですが、シャンプーというのは界面活性剤の配合バランがすべてになります。いくら他の部分にこだわったところで、界面活性剤の配合バランスがおかしければ、変なシャンプーに仕上がってしまいます。
なぜここまで言い切れるかというと、私自身がシャンプーを作ってきたからです。3年間かけて界面活性剤の配合バランスを微調整し続けた結果、今シャンプーを販売させていただいています。少し変えただけで、全く違うシャンプーになってしまうのです。
だからこそ、今回助剤についてお話しするのですが、何度も繰り返しますが、界面活性剤の配合バランスがすべてになります。成分解析のサイトなどもありますが、あれは成分単体の話をしているにすぎません。シャンプーを構成する上で一番大切なのは界面活性剤であり、その配合バランスがすべてなのです。
話を戻して助剤についてお伝えします。成分表の裏を見ると、たくさんの成分名が並んでいると思います。これらにはそれぞれ役割があり、起泡剤、増粘剤、保湿剤、コンディショニング剤、エモリエント剤、キレート剤、防腐剤、帯電防止剤、被膜形成剤など、一つひとつの成分に役割があります。それらが配合量の多い順に並んでいるのです。
基本的な構造として、水と界面活性剤の後には起泡剤が入っています。起泡剤とは泡立ちを良くするためのものです。界面活性剤単体では泡立ちが足りないため、起泡剤で泡立ちを良くし、さらにシャンプーに粘性を持たせるために増粘剤が入っていることがほとんどです。ほとんどのシャンプーがこの順番で作られています。
成分表を最後まで見ていくと、含有量が一番少ない部分には、どのシャンプーにも基本的にキレート剤と防腐剤が入っています。
キレート剤とは、金属イオンなどから化粧品を守るためのものだそうです。シャンプーで言えば、水道水の中にも金属イオンが含まれていることがあり、それによって製品の品質が変わってしまうことがあるそうです。お風呂場に置いておくと中に水が入ってしまう可能性もあるため、その水によってシャンプーの品質が変わらないように入れているのがキレート剤だと教えていただきました。使い方は他にもあるかもしれませんが、私が教えていただいた内容としては、シャンプーにおける役割はこういったことだということでした。
ですので、シャンプーの成分表を見た時は、まず水、界面活性剤があり、起泡剤、増粘剤と続くのがほとんどの仕組みで、最後の方には防腐剤やキレート剤、そして安定剤といったものが入っているという流れになります。
それ以外に多く記載されている内容として「基剤」というものがあります。この基剤とは、工場によってシャンプーを作るベースとなる剤のことです。
この基剤は工場によってA、B、C、Dというように構造が全く違うそうです。工場に製造を依頼すると、「シャンプーにはこのベースとなる基剤がありますよ」という説明があり、その上にどのような界面活性剤を入れていくかを決めていきます。この基剤がなければシャンプーは作れないと言われています。ただし、この表記に関しては工場によって違いがあるため、私自身も詳しくは分かりません。
まとめると、基剤というベースがあり、その上に界面活性剤や増粘剤、起泡剤が入ってきて、そして防腐剤とキレート剤は必ず入っている、というのが基本的な構造になります。
よく皆さんが話題にする「成分」というのは、実はこの保湿剤、コンディショニング剤、エモリエント剤と呼ばれているものにあたります。
サロン品に関してはここが一つの特徴になります。この保湿剤やコンディショニング剤、エモリエント剤といったものが、いわゆるケラチンやPPT、CMCというものに置き換わってくるのです。
そしてこの表記に関しては一つだけではなく、複数のものを組み合わせて作られています。毛髪の内部にどのようにアプローチしていくか、これがパテ埋め系の考え方ですが、内部にどうアプローチするかを考えながら、コーティング系であれば表面にどのように被膜を形成していくかを考えて設計されているのがこの部分になります。
ここまでのお話でお分かりいただけると思いますが、この部分がシャンプー全体の構成の中で占める割合は決して大きくありません。本当に大切なのは界面活性剤であり、それを助ける起泡剤と増粘剤があり、防腐剤などがある中で、保湿剤やコンディショニング剤はほんの少し入っているにすぎません。この「少し」がどれくらい影響を及ぼすかというイメージで捉えていただくと、シャンプーの基本的な構造や考え方が見えてくると思います。
ですので、シャンプーの話をする時に「この成分がいい」「あの成分がいい」と言っているのは、正直なところ表面的なものであり、シャンプーのことを本当には理解していない方が言っていることがほとんどだと思ってください。工場の立場から言わせると、そういった話をしているサイトはシャンプーを理解していない人たちが書いていることが多く、ただ一般受けが良いからそう言っているだけで、実際にはそのような単純な話ではないのです。
すべては全体的なバランスでしかありません。それをきちんと話してくれている美容師さんは、本当に理解している美容師さんか、SNSの発信者ではないかなと思っています。
では、コーティング系とパテ埋め系はどのように見極めればいいのでしょうか。そもそも市販されているものは、冒頭でお話しした通りコーティング系しかなく、「パテ埋め」という言葉そのものが存在しないと思ってください。
私がお客様に説明する際に分かりやすいように、コーティング系とパテ埋め系という言葉を使っているだけであり、そもそもパテ埋めという概念自体があまり一般的ではないとご理解ください。毛髪科学に特化している美容師さんであれば、このパテ埋めという概念をご理解いただけると思いますが、コーティング系とパテ埋め系という言葉自体は、私が伝えやすいように独自に作った表現だとご理解ください。
これを前提としてお話しさせていただきますが、コーティング系で近年よく見かける傾向についてお伝えします。
何度もお伝えしている通り、シャンプーは界面活性剤の配合バランスがすべてです。ですので、コーティング系でよく見かけるのは、洗浄力の強い界面活性剤を使っていること、もしくは界面活性剤の配合量が多いことです。
順番に見ていくと、ちゃんとしたメーカーであれば界面活性剤は大体3つほどで構成されていることが多く、あまり多くの種類を入れません。あとは起泡剤などを使って泡立てていくことが多いのですが、洗浄力の強いメーカーの場合は、洗浄成分が4個や5個入っていることがあります。
これには理由があると考えられます。不特定多数の人が使う商品では、洗浄力が弱いと「洗えていない」というトラブルにつながります。サロン品では2度洗いをお勧めできますが、一般商品は1度で洗えるように作らなければなりません。そのため洗浄力を上げる必要があり、強い界面活性剤を使い、かつ配合量を多くしないといけないという構成になっています。ただし、そうすると髪はとても傷んでしまい、パサついてしまいます。洗えるけれども傷んでしまうのです。
それを隠すために、近年では植物油をたくさん配合してコーティングしていることが多く見られます。一部、保湿剤やコンディショニング剤、エモリエント剤も含まれていますが、シャンプー全体の比率で見るとその影響は非常に小さいものです。極端な話、一滴でも入っていれば「配合している」と謳うことはできますが、一滴では実質的な意味はほとんどありません。それでも多少は入っており、ほとんどが植物油で構成されているというのが、今の主流の処方だと言えます。
そして大手メーカーは基本的にコーティング系です。これは美容業界も同様で、大手メーカーは基本的にコーティング系のシャンプーを作ります。
理由は原価が関係しています。あまりこういった話をするのは良くないかもしれませんが、上場している大手メーカーのシャンプーやトリートメントは、原価率がおおよそ14%から15%以下で作られています。これは、私のお客様にマーケティング部門で大手メーカーに勤めている方がいらっしゃり、教えていただいた情報です。原価率が10%を超えることはほとんどなく、大手メーカーが原価を上げることは基本的にありません。
そのため、比較的原価を抑えられる成分や、ポリクオタニウムなどのコンディショニング剤を少量だけ配合して質感を調整し、コーティングによってダメージを隠すように作られている、とご理解いただいて大丈夫です。
つまり、コーティング系でよく見られるのは特定の成分というよりも「構成」です。界面活性剤が4個も5個も入っているものや、比較的洗浄力の強い界面活性剤をトップに持ってくるようなシャンプーは、大体コーティング系が多いのではないかと思います。美容業界でしっかりとしたシャンプーを作っているメーカーは、先ほどお話しした3種類ほどの界面活性剤で構成していることが多く、洗浄力の強いものを使うことはほとんどありません。
「この成分がこういう効能を持っている」という話は分かりやすいのでお気持ちは分かるのですが、実際にはバランスとしか言いようがなく、あくまで傾向としてこういう流れがあるというお話しかできません。全体的な流れとして、シャンプーはこのように作られているとご理解いただけると嬉しいです。
例えば先日、あるシャンプーを実際に使わせていただきました。裏の成分表示を見ると、水、ラウレス硫酸ナトリウム、コカミドプロピルベタインという順番になっており、前半に界面活性剤が2つ入っていて、その後に増粘剤が入っています。この場合は界面活性剤が2つ、もしくは3つほどしか入っていませんが、おそらく洗浄力を高めるためにラウレス硫酸ナトリウムを多く配合し、その後に起泡剤などを多く入れて泡立ちを良くしていると考えられます。
先ほどお話ししたように、界面活性剤を4つや5つ使っているメーカーもあれば、こうして2つか3つしか使っていないメーカーもあり、はっきりと断言できるものではありません。ただ、こうして成分を見ていくと、最後の方には油ばかりが入っていることが分かります。アルガンオイルやホホバ油といった、今流行りの成分が使われているということになります。
このシャンプーに関しては、保湿系の成分をたくさん配合して洗浄力を上げつつ、表面をしっかり被膜でコーティングし、そのコーティング剤も髪には直接関係のない植物油で構成しているという設計になっています。一つひとつの成分を見ても正確には分かりませんが、こうして見ていくことで、おおよそどのように作られているのかが見えてくるようになります。
最終的に、成分について一番勉強になる方法は、製造元の工場に直接問い合わせることだと思います。
例えば、今使っているシャンプーのパッケージには製造元や販売元が記載されています。そこに電話をして、成分について知りたいこと、この成分は何か、なぜこの成分を入れたのかを一つひとつ聞いていただくのが一番良い方法で、それ以外に本当の正解を知る手段はありません。
私自身の場合、リナリアに関しては、すべての成分について説明することは可能です。ただし、それをこの動画でお話しすることは薬機法に触れてしまうため、することができません。
もしかしたら販売元に電話をしても、シャンプーは薬機法に引っかかることが多いため、教えてもらえないケースも多々あります。実際、私自身もリナリアのことを聞かれても、一つひとつの成分についてお話しすることはできません。これは製造元から「絶対に言ってはいけない」と強く言われていることです。話してしまうとデメリットしかないと言われているためです。
先ほどお話しした基本構造の内容は、どのメーカーでも共通するものです。一つひとつの成分がどうこうという話ではなく、あくまでバランスの問題でしかありません。ただ、今の傾向としては、これが主流の処方であるとご理解いただければと思います。
そして今後もシャンプーには流行があり、次に来る流行によって処方の傾向も変わってくるはずです。これからも変化し続けていくと思います。
ずっとシャンプーについてお話ししていますが、本当にシャンプーは一番大切なものです。髪の毛を綺麗にするための一番の土台であり、美容業界を見渡しても「シャンプーが大事」と発信している美容師さんは本当に少ないと感じています。私がこうして発信している中では、おそらくそう多くはいないだろうと思うくらい、シャンプーについてしつこくお伝えしていますが、それだけシャンプーは奥が深いのです。
本当に奥が深いのですが、一般的に売れている商品は、必ずしも良い商品だから売れているわけではありません。マーケティングが上手な会社のシャンプーが売れているのであって、売れている商品が良い成分を使っているかというと、それはイコールではないのです。
何度もお伝えしていますが、「この成分がいい」「あの成分がいい」とはっきり断言できる方が分かりやすくて良いのですが、繰り返しになりますが、シャンプーというのは界面活性剤の配合バランスがすべてであり、商品を構成しているバランスがすべてになります。
このバランスというのは、いつも肉じゃがの例えでお話ししているのですが、美味しい肉じゃがと美味しくない肉じゃがの違いと同じです。醤油の比率が多すぎればしょっぱくて食べられませんし、逆に少なすぎれば味が薄い肉じゃがになってしまいます。そういったバランスの中で商品が作られているということをご理解いただき、今回のお話が全体的な構造の理解につながれば嬉しく思います。
今回のコラム内容をより詳しく知りたい方は、こちらの動画を御覧ください。
▼LIBELLULEの予約ページはこちら
https://libellule-hair.com/salon#reserve
▼LINALIAの販売ページはこちら
https://linalia.theshop.jp/
この記事を書いた人
名村 武彦
はじめまして。リベリュール・オーナースタイリストの名村(なむら)です。
リベリュールは艶やかにまとまる綺麗な髪をつくる事が得意な美容室です。髪を綺麗にするってとてもシンプルでカンタンです。
1人で悩んでいないで、ぜひお気軽にご相談下さい。
髪が綺麗になると毎日がとっても気持ちいいですよ!
はじめまして。リベリュール・オーナースタイリストの名村(なむら)です。
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