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美容室のトリートメントは意味がない?毛髪科学のプロが教える本当に大切なヘアケアの考え方

この記事について

美容室のトリートメントに毎月通っているのに髪が綺麗にならない方へ。毛髪科学に基づいてトリートメントを提供する美容師が、サロントリートメントの仕組みと限界、そして本当に大切にすべき「毎日のシャンプーとトリートメント」について徹底解説します。

今回のテーマは、美容室のトリートメントについてです。

なぜこのテーマを取り上げようと思ったかと言いますと、当店にいらっしゃるお客様の多くは、髪の毛を大事にしたいという方が多いからです。

そういったお客様は、毎月のように美容室に行きトリートメントをして、髪の綺麗を維持されている方が多くいらっしゃいます。お客様によっては、1ヶ月に2回美容室に行かれている方もいらっしゃいます。

このサロントリートメントの考え方、そしてサロントリートメントについて、もっと皆様に知っていただきたいと思っています。そして結論から言いますと、僕は「美容室のトリートメントなんてやめてしまって、シャンプーとトリートメントを一番大切にしてほしい」ということをお伝えしたくて、今回この記事を書かせていただいております。

僕は毛髪科学に基づいてお客様にトリートメントを提供している美容師です。トリートメントは美容室でも行っています。その僕が「美容室のトリートメントをやめてしまえ」と言ってしまっていいのか、という話にはなるのですが、そこについてしっかりお話ししていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

最初にお断りしておきたいこと

ご自身でヘアケアが手に負えないというお客様も一部いらっしゃいます。そういったお客様は、1ヶ月に1回、メンテナンスとして美容室のトリートメントを使っていただくことはお勧めです。

サロントリートメントの仕組み

サロントリートメントの仕組みからお話ししていきたいと思います。サロントリートメントと、皆様がいつもご自宅でやっているトリートメントの一番の違いは「濃度」です。サロントリートメントは、濃度が濃く作られています。

なお、これはあくまでサロン専売品のトリートメントのお話であり、市販のトリートメントは除外させてください。市販のトリートメントはすべてコーティング系になりますので、今回のお話は当てはまりません。

サロン専売品と市販品の違いは「濃度」

サロン専売品というのは、これからお話しする考え方をもとに作られていますが、その一番大きな違いは濃度ということになります。

髪の毛はダメージを受けると、大きな穴ができます。この穴のことを別名「ボイド」と言ったりするのですが、この穴が手触りに関わってきたり、表面のキューティクルが浮いてきてしまい、手触りが悪くなる、絡まるといった現象につながります。

それを緩和するために美容室でトリートメントを行うのですが、仕組みとしては、ケラチン・PPT・CMCという成分を、濃度の濃いものでパテ埋めしていく、というのがサロントリートメントの考え方になります。

一部コーティング系のトリートメントもありますが、それは除外し、僕たちが「システムトリートメント」と呼んでいるきちんとしたトリートメントについてお話しします。そういったメーカーさんは、このようにケラチン・PPT・CMCの濃度を濃くして埋めていくということになります。

ケラチン・PPT・CMCそれぞれの役割

髪の毛の主成分は、80%から90%がケラチンで作られています。

このケラチンにはいろいろな種類があるのですが、これ単体を髪の毛に擬似的に入れてしまうと、ケラチンの特性上、髪が硬くなり過ぎて張りが出過ぎてしまいます。そのバランスを整えるために、一般的にPPTというものを使っています。PPTとはポリペプチドの略で、和製英語(日本で独自に作られた英語)だそうですが、アミノ酸の集合体を指します。

一般的には、シルクPPTやコラーゲンPPTというものを使っています。シルクは一般的に手触りを良くするもの、滑らかさを出すものです。コラーゲンは弾力を作ったり、水分を保持したりするような働きがあります。

これらをバランスを考えながら配合していかないと、例えばシルクだけ、コラーゲンだけを入れてしまうと、張りやコシのない、ただ柔らかいだけの髪になってしまい、ペタンコになったり重くなったりしてしまいます。そこに張りを持たせるためにケラチンも入れてバランスを整え、求める質感を作っていくのが、サロントリートメントの考え方になります。

実際にPPTを一つ一つ使い分けていくと髪の毛の違いが分かりやすいのですが、さすがに一般の方が試すことは難しいものです。しかし僕たちは現場でメーカーさんから、「ケラチンをこのように配合するとこうなる」といった説明を受けながら、実際に体験しつつ講習を受け、お客様にご提供させていただいております。

このケラチンやPPTというのは、単体ではくっつきません。一つ一つがバラバラに離れてしまうため、それらを接着する必要があります。その接着剤の役割を果たすのが、髪の毛の中に存在するCMCというものです。

このCMCは、髪の毛の中に1%から8%存在しています。これを擬似的に作ったものを、接着剤としてつけていきます。CMCには、髪の内部にある「コルテックス間CMC」と、髪の表面にある「キューティクル間CMC」の2種類があり、これらを一緒に接着していくというのが、サロントリートメントの考え方になります。

濃度を濃くする理由と、毎日使ってはいけない理由

それではそんなに良いものであれば、毎日、美容室のシステムトリートメント(サロントリートメント)をご自宅で使い続けてしまえば良いのかというと、実はそれをしてしまうとベタついたり、髪が硬くなっていってしまいます。

ケラチン・PPT・CMCに加えて、よく使われている成分としてポリフェノールがあります。ポリフェノールには髪の毛の収斂作用があり、髪の毛をキュッと締める働きがあります。こういった成分の濃度を濃くし過ぎてしまうと、髪がきしんでしまい、硬くなってしまうのです。つまり、指が通らなくなってしまいます。

それほど濃度を濃くしているのは、速効性を持たせるためです。お客様が美容室に来て「わあ、サラサラになった」と喜んでいただくために、速効性を出そうとして濃度を濃くしているだけなのです。

これが、サロントリートメントの仕組みになります。

サロン専売品のシャンプー・トリートメントとの関係

ここまでお話をして、僕の動画をずっとご覧いただいているお客様であればお分かりいただけると思うのですが、サロン専売品のシャンプーというのは、このシステムをそのままご自宅用にチューニングして作られているのが、シャンプーとトリートメントなのです。

リナリアに関しても同様で、シャンプーの中にはケラチンとPPT、少量のCMCが含まれています。トリートメントには、ケラチン・PPT・CMCがしっかりと配合されています。シャンプーで洗いながら髪の内部にケラチンとPPTを少し入れ、トリートメントでCMCを接着していく。つまり、サロントリートメントと同じ考え方で、自宅でケアできるように作られたのが、シャンプーとトリートメントなのです。

サロントリートメントに持続性がない理由

いくらサロントリートメントの濃度が濃く作られているとはいえ、持続性はないように作られています。いろいろなメーカーさんが持続するように工夫はしているのですが、それでも大体1週間から2週間が限界です。

これにも理由があります。持続性を持たせ過ぎてしまうと、つまり髪の毛に残留するように作ってしまうと、パーマやカラーの妨げになってしまうのです。次回お客様がご来店いただいた際に、あまり吸着力の強いものが髪に残っていると、パーマがうまくかからなかったり、カラーがうまく発色しなかったりする現象が起きてしまいます。ですので、どんなに濃いものを作ろうとしたところで、持続はできないのがサロントリートメントなのです。

洗浄力の強い市販シャンプーとの相性

さらに、ご自宅で使っているシャンプー、例えば500円ぐらいで一番売れているシャンプー(ラックス、パンテーン、アジエンスといったもの)は、洗浄力が強く設計されています。そういったシャンプー・トリートメントを使うと、ほとんどの場合、このサロントリートメントは一回か二回の洗髪で取れてしまいます。こういったものを使ってしまうと、本当に意味がなくなってしまうのです。

美容室で3,000円や5,000円、物によっては数万円するトリートメントや髪質改善を毎月行っても、500円のシャンプーを使ってしまうと、すべてが水の泡になってしまいます。そもそも持続性がそんなにないのに、洗浄力の強いものを使ってしまうと、せっかくお金をかけたにもかかわらず意味がなくなってしまうのです。だから僕は、お客様に「サロントリートメントはそんなにやらなくていいですよ」とお話ししています。

あまりにもダメージがひどく、ご自宅では手に負えないというお客様は、サロンでやってもらっても良いのですが、ある程度髪の毛が綺麗になったら、サロントリートメントはしなくて良いとお客様にお伝えしています。だからこそ、毎日のシャンプー・トリートメントが一番大切なのだということを、この記事でお伝えしたいのです。

美容師にとってトリートメントは儲かるビジネスである

美容師にとって、トリートメントというのは、言い方は悪いのですが、非常に儲かるメニューです。5,000円だ、4,000円だと、いわゆる松竹梅の法則でトリートメントメニューを設計しているサロンも多く、ほとんどの美容室で行われているトリートメントは、正直なところ、あまり意味がないと思ってください。

だからこそ、今回お伝えしたいのは、「美容室のトリートメントをやめてしまって、そのお金をご自宅で毎日使うシャンプーとトリートメントにかけていただきたい」ということです。今日お話ししたこの仕組みを、そのまま自宅用に移行して作られているのが、サロン専売品のシャンプーとトリートメントになります。

リナリアに関しても、まさにこの考え方で作られています。ですので繰り返しになりますが、当店にご来店いただいているお客様に関しては、トリートメントだけの来店はしなくて良いとお伝えしています。痛んだところが綺麗になってきたら、それ以上サロントリートメントを重ねてもあまり意味がありませんので、その分、ご自宅でシャンプーの使用量、トリートメントの使用量をきちんと増やしていただきたいのです。それだけで、髪の毛の綺麗を継続することができます。

ケラチン・PPT・CMCというものを、毎日補っていただく。持続性はないので、次のシャンプーでまた取れてしまいますが、それをまた擬似的に補っていく。これを継続していただくことで、ダメージを軽減していきましょうというのが、シャンプーとトリートメントの考え方になります。

今回お伝えしたいことは、すべてこの一点に集約されます。サロンのトリートメントはもうやめていただいて、ご自宅でのシャンプーとトリートメントを一番大切にしていただきたいと考えております。

髪に悩むお客様にこそ知っていただきたいこと

本当に髪に悩んでいるお客様というのは、美容室を探して、そこで「これがいいですよ」と言われたものをどんどん試していく傾向があります。

例えば、「毎月髪質改善をしたら良いですよ」と、2万円も3万円もするような髪質改善を勧められ、それを信じて使い続けても、結局半年後にはまた髪の毛がボロボロになっていく、というケースがあります。「髪が乾燥していますね」「痛んでいますね」「トリートメントしましょうね」と言われるのですが、トリートメントをしたところで、そもそも持続性があるわけではないので、1週間後には元の状態に戻ってしまいます。これでは、お客様のためにならないのです。

今回お話ししているのは、こうした本当のことなのです。

僕がシャンプーとトリートメントを一番大切にしてほしいとお話ししているのは、そのシャンプーとトリートメントには、薬剤の除去や、パーマ・カラーの残留物を取る役割も持たせてあるからです。総合的に、いわゆるオールインワンというわけではありませんが、美容室で行うケアの要素を全部シャンプーとトリートメントに集約することで、毎日ご自宅で継続していただけるように作られているのが、サロン専売品のシャンプーとトリートメントなのです。

なぜ当店はカット・カラー・パーマにトリートメントをセットにしているのか

ここで一つ矛盾が生じるかもしれません。当店では、カットとカラーとトリートメント、カットとパーマとトリートメントというように、薬剤を使う技術に関しては、すべてトリートメントをセットにさせていただいています。これはなぜかと言いますと、薬剤を使うと髪の毛に薬剤が残留し、ボイド(ダメージホール)が必ずできてしまうからです。

ですので、できるだけ薬剤を除去し、できてしまったダメージホールを擬似的にパテ埋めする。濃度の濃いもので埋めることで、ダメージをなるべく軽減してお帰りいただきたいという思いから、トリートメントをセットにさせていただいています。

先ほどお話しした通り、そのトリートメントには持続性がありませんので、当店では必ずシャンプーを変えていただき、ご自宅でそのダメージホールを擬似的に補いながらケアしてくださいとご説明しています。そのためトリートメントをセットにさせていただき、シャンプーとトリートメントの大切さをお客様にお伝えしています。

サラサラになる、しっとりするという結果だけではなく、このプロセスを経てお客様の髪の毛を守っていきましょう、綺麗にしていきましょうということを、今回ご理解いただけたら嬉しく思います。

もちろん、これとは違う考え方でトリートメントを提供している美容師さんもいらっしゃいます。ですが、どんなトリートメントであろうと、どんな髪質改善であろうと、どんなに髪の毛に良いとされているものであっても、洗浄力の強いシャンプーを使ってしまえば、すべてが水の泡になります。これだけは全国共通の事実ですので、しっかり覚えていただきたいと思います。

安いシャンプーが必要な人もいる

公衆衛生を保つためには、安いシャンプーというのも必ず必要になります。すべてのお客様が髪の毛を大切にしているわけではありません。シャンプーは何でも良い、例えば僕の父親は「髪の毛はどうでもいい、ヘアスタイルもどうでもいい、洗えればいい」というタイプの人です。そういったお客様もたくさんいらっしゃいますので、500円のシャンプーのような安いシャンプーというのは必ず必要な存在です。

ですが、この記事を読んでいただいているお客様は、髪の毛を大切にしたい、頭皮を大切にしたいという方が多いと思いますので、今回このお話をさせていただきました。すべての方に当てはまるお話ではありませんが、髪を大切にしたいお客様に届けば嬉しいなと思って書いております。

まとめ

今回お伝えしたかったのは、美容室のトリートメントではなく、ご自宅でのシャンプーとトリートメントを大切にしていただきたい、ということです。

美容室でいろいろなことを言われることもあるかと思います。そのお話も大切なことがあるかもしれませんが、少し言い方を選ばずに言うと、騙されてしまっているお客様もたくさんいらっしゃいます。この記事が、そういったお客様にとって一つの参考になれば嬉しく思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人

名村 武彦 はじめまして。リベリュール・オーナースタイリストの名村(なむら)です。
リベリュールは艶やかにまとまる綺麗な髪をつくる事が得意な美容室です。髪を綺麗にするってとてもシンプルでカンタンです。
1人で悩んでいないで、ぜひお気軽にご相談下さい。 髪が綺麗になると毎日がとっても気持ちいいですよ!

はじめまして。リベリュール・オーナースタイリストの名村(なむら)です。
リベリュールは艶やかにまとまる綺麗な髪をつくる事が得意な美容室です。髪を綺麗にするってとてもシンプルでカンタンです。
1人で悩んでいないで、ぜひお気軽にご相談下さい。 髪が綺麗になると毎日がとっても気持ちいいですよ!

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