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酸性縮毛矯正のメリットとリスクを美容師が徹底解説!その効果とリスク回避方法

この記事について

酸性縮毛矯正とは?髪へのダメージを最小限に抑えるための重要なポイントをお伝えします。

酸性縮毛矯正とは?

今回は、酸性の縮毛矯正について解説いたします。
ホットペッパーなどでも「酸性縮毛矯正」という言葉をよく見かけると思いますが、これが一体どのようなものなのか、詳しくご説明します。

酸性縮毛矯正は美容師の技術に依存する

「酸性縮毛矯正は良いですか?」という質問をよくいただきますが、まず結論から言うと、酸性であってもアルカリであっても、美容師の技術に依存します。酸性の縮毛矯正には使い方にコツがあり、何度も実験を重ね、その薬剤の特性を理解し、毛髪を正しく診断しないと、うまくいかない技術です。

そのため、美容師の経験が大きく影響する技術と言えます。したがって、結局のところ、美容師の技量が結果を左右します。

正しい情報の重要性

一つ問題として挙げられるのは「酸性」という言葉だけで判断してしまう点です。
どのメニューを選ぶべきか、どの美容室を選ぶべきか迷うことはよくあると思います。
そのため、このブログを通じて、皆様に正しい情報をお届けしたいと考えています。

酸性縮毛矯正の基本的な仕組み

では、実際に酸性縮毛矯正とは何かについて説明します。

基本的に、パーマ液や縮毛矯正剤には還元剤が使われています。
還元剤とは、髪の毛の結合を切って形状を変えるもので、この還元剤によって髪の形を変えることができます。

代表的な還元剤としては、日本でおよそ7種類が使われています。

  • チオ
  • シス
  • システアミン
  • チオグリセン
  • GMT
  • スピエラ
  • サルファイト

などです。

酸性縮毛矯正のメリットと注意点

それぞれの還元剤は、特定のpH値で最も効果を発揮します。

例えば、チオグリコンサンのpKa値は10.40で、これが一番力を発揮するpH値です。
このように、還元剤ごとに効果を発揮するpH値が存在します。
酸性縮毛矯正とは、このpH値が酸性領域で力を発揮する還元剤を使用することを指します。

どれが最適かは、技術者やメーカーの考え方によりますが、アルカリによるダメージを軽減できるため、個人的には酸性領域で還元を行うパーマ液を好んで使用しています。
そのため、私自身もよく使用しています。

高アルカリ・高還元のアプローチ

では、具体的にこの考え方についてご紹介したいと思います。
少し複雑な内容になるかもしれませんが、できるだけ分かりやすく説明します。

こちらが、日本で使用されている代表的なハード系の縮毛矯正のスペックです。

この場合、還元剤としてチオを使用し、pH値が7から8程度の縮毛矯正薬が日本では一般的です。
この強さのスペックにおいて、チオグリコール酸の含有量やアルカリ度、助剤については今回の説明から除外します。

これらを含めるとパワーバランスが変わってくるため、今回はこの程度のスペックで説明します。
この代表的なハード系の縮毛矯正薬は、一般的に「高アルカリ・高還元」と呼ばれます。

高いpH値で還元剤の力を最大限に発揮させることで、対象となる髪は太く、硬く、多く、そして縮毛の方が主な対象となります。

このような方には、この程度のスペックのパーマ液が使われてきました。
約10年から15年前までは、この考え方が主流でした。

低アルカリ・高還元の新しいアプローチ

その後、pH値を少しコントロールしたり、還元剤の量を調整する程度の変更が加えられるだけで、基本的な考え方は大きく変わりませんでした。

しかし最近、低アルカリ・高還元という新しい考え方が誕生し、このスペックが大きく変わった縮毛矯正剤が増えてきました。

そのため、優れた美容師は、自分で縮毛矯正薬剤のパワーをコントロールするようになりました。
現在では、チオグリコール酸1種類ではなく、複数の還元剤をブレンドして処方する考え方に変わってきています。

縮毛矯正における重大な判断ミス

低アルカリ・高還元の考え方や高アルカリ・高還元の考え方は、それぞれの美容師やメーカーによって異なります。

先ほども述べたように、技術者やメーカーによって考え方は様々です。
ただ、一つだけ言えることはどこまで痛ませずに、髪の毛を綺麗にまっすぐにするか、その発想から生まれたのがこの低アルカリ高還元の考え方になります。

正解はいろいろあり、1つとは言えませんが、1つだけ間違えてはいけないことがあります。
それは、毛髪診断のミスにより、オーバースペックの薬剤を使用してしまうことです。

縮毛矯正の失敗でよくあるのは、髪がチリチリになってしまったり、綺麗に矯正されていなかったりするケースです。

当店にもそのような方が多くいらっしゃいましたが、これらの失敗は、毛髪診断のミスによってオーバースペックの薬剤が使用された場合や、逆に薬剤のパワーが髪に対して弱すぎた場合に起こります。

これが、縮毛矯正における唯一の重大な判断ミスです。

pH移行の考え方とその実践

そのほかは、綺麗に髪を伸ばすという考え方のもとで、様々なブレンド処方や技術を駆使して縮毛矯正が行われます。

最近流行している考え方の一つとして、酸性領域や弱酸性の領域で還元を行い、その後アイロンで髪を伸ばす「酸性縮毛矯正」という手法があります。

pH移行の具体的な手法

この手法に使われる還元剤としては、GMT、スピエラ、チオ、システアミン、チオグリセリンなどが多く使用されているようです。

私自身もGMTとチオをよく使用しますが、チオグリセリンはあまり使用しません。
システアミンは多少使うこともありますが、一つの考え方に固執するのではなく、いろいろな還元剤を使っています。

また、私はアルカリの縮毛矯正やパーマ液に反対する立場ではなく、適切に使用すれば作業効率が上がるため使用しています。

そのため、個人的には酸性縮毛矯正が好きですが、私は中立的な立場をとっており、どちらにも偏らず、うまくバランスを取りながら使用しています。

こうした技術に精通している美容師たちは、pH5から6の間で還元剤を使いながら薬剤にアプローチしていますが、太くて硬くて多くて縮毛の方には、この薬剤が対応できない場合が多いのです。
そこで、最近流行しているのが「pH移行」という考え方です。

pH値が5から6の状態で還元剤を使用し、その後、さまざまな薬剤を使ってpHを7から8まで上げ、その後に還元を行うという手法です。

縮毛矯正における注意点とトラブル回避

最近では、この「pH移行」という考え方が、マニアックな美容師の間で主流になりつつあります。
ただし、美容師によって考え方はさまざまであり、どれが正しいとは一概には言えません。

一方で、私が見てきた中で「これはすごい」と感じる技術もありますが、同時に注意が必要な技術も存在します。
例えば、パーマ液がクセを伸ばしにくい場合に、無理にアイロン操作を行う美容師も少なくありません。
そうしたケースでは、うまく施術を行う美容師もいますが、逆に失敗してしまう美容師もいるため、注意が必要です。

高温アイロンや薬剤放置のリスク

その一例として「水抜きアイロン」や「200℃アイロン」が挙げられます。
アイロンの温度を200℃に上げて、クセ毛にアプローチする手法です。

また、薬剤を40分から60分の間、髪に放置する方法もあり、なかには、薬剤をずっと髪につけっぱなしにしている方もいます。

水抜きアイロンも、上手な方が行えば非常に効果的ですが、下手に真似をしてしまうと、髪が非常に傷んでしまうことがあります。
私個人的には、還元剤を長時間放置することはあまり好きではないので、私は行いません。

ですので、この方法が良いかどうかは個人の主観によりますが、私としては、こうした手法を使うくらいなら、少しアルカリを使った方が良いと考えています。
また、pH移行という考え方もあり、これも一つの方法だと思います。

酸性縮毛矯正の今後と正しい選択

酸性の縮毛矯正が良いかどうかについては、アルカリ剤によるダメージが少ないため、とても良い考え方だと思いますが、還元剤の使い方にはコツと非常に多くの実験が必要となります。

私の個人的な意見ですが、現在の酸性縮毛矯正ブームは、一過性のものに終わってしまうのではないかと感じています。

その理由としては、エアウェーブやデジタルパーマのように、酸性縮毛矯正という言葉が集客のキーワードになってしまうと「酸性だから傷まない、安全だ」と誤解する美容師が増え、トラブルが多発する可能性があるからです。

トラブルの一例としては、縮毛矯正がきれいに伸びないことや、還元剤が過剰に反応して髪がビビリ毛になってしまうことが考えられます。

私自身、還元剤の過剰反応を「ビビリ」と呼んでいますが、酸性だから傷まないというわけではなく、還元剤によって髪は十分に傷む可能性があります。

こうしたことを考慮すると、エアウェーブやデジタルパーマと同様に、酸性縮毛矯正も使い方を誤るとトラブルが多発し、ブームが過ぎ去ってしまうことが懸念されます。

正しい技術と美容師の選び方

エアウェーブやデジタルパーマも、正しく使えば非常に優れた技術ですが、ブームのように一過性で終わってしまうと、トラブルが増えて「酸性はダメだ」という印象が広がることを私は心配しています。

そのため、何度もお伝えしますが、縮毛矯正は美容師や技術者の技量によって大きく変わります。

集客のキーワードとして使われることも多いですが、それよりも、しっかりと実験を重ね、その薬剤の特性やコツを理解し、正確な毛髪診断を行うことで、髪は必ずきれいにまっすぐに仕上がります。
そうした手順をきちんと説明できる美容師を信頼することが大切です。

縮毛矯正に悩んでいる方は、そうした美容師を見つけ、その方のブログなどを過去にさかのぼって、一貫した考え方があるかどうかを判断基準にすると良いでしょう。

最後に

現在では、「酸性縮毛矯正」と検索すると多くのブログがヒットします。そうしたブログを読んで、酸性縮毛矯正や還元剤、pH値について理解していると感じたら、一度問い合わせてみるのも良いかと思います。

今回は少し難しい内容になってしまいましたが、酸性縮毛矯正が良いかどうかについて解説いたしました。

今回のコラム内容をより詳しく知りたい方は、こちらの動画を御覧ください。

この記事を書いた人

名村 武彦 はじめまして。リベリュール・オーナースタイリストの名村(なむら)です。
リベリュールは艶やかにまとまる綺麗な髪をつくる事が得意な美容室です。髪を綺麗にするってとてもシンプルでカンタンです。
1人で悩んでいないで、ぜひお気軽にご相談下さい。 髪が綺麗になると毎日がとっても気持ちいいですよ!

はじめまして。リベリュール・オーナースタイリストの名村(なむら)です。
リベリュールは艶やかにまとまる綺麗な髪をつくる事が得意な美容室です。髪を綺麗にするってとてもシンプルでカンタンです。
1人で悩んでいないで、ぜひお気軽にご相談下さい。 髪が綺麗になると毎日がとっても気持ちいいですよ!

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