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健康毛とは?くせ毛でも髪はきれい|毛髪科学でわかる「きれいな髪」と「きれいに見える髪」の違い

この記事について

健康毛とはどのような髪なのでしょうか。毛髪科学における疎水毛・親水毛の違いや、健康毛を判断する4つの条件を解説します。くせ毛は傷んだ髪ではありません。「きれいな髪」と「きれいに見える髪」の違い、ヘアケアとスタイリングの役割についても詳しくお伝えします。

健康毛とは何なのか?毛髪科学から考える「きれいな髪」

今回のテーマは「健康毛」についてです。

特に、くせ毛でお困りのお客様には、ぜひご覧いただきたい内容となっています。
毛髪科学において、健康毛とは何なのか。そして「きれいな髪」とは何なのかについて、お話ししていきたいと思います。

「きれいな髪」と「きれいに見える髪」はまったく違う

今回、まずお伝えしたいのが、

「きれいな髪」と「きれいに見える髪」はまったく違う

ということです。

これを毛髪科学に基づいてお話ししていきます。
冒頭で「くせ毛の方にご覧いただきたい」とお伝えしたのも、まさにこれが理由です。

一番お伝えしたいのは、

「くせ毛は、くせ毛のままできれいな髪である」

ということです。

きれいな髪というのは、単にきれいに見える髪のことではありません。
健康毛であることを「きれいな髪」と考えます。

なぜ、くせ毛やうねりが「ダメージ」と思われているのか

なぜ最初にこの話をしているのかというと、インターネット上で「髪の悩み」と検索すると、必ず上位に「くせ毛」「うねり」「ダメージ」といった言葉が出てくるからです。

それだけ悩みが顕在化しているため、各メーカーも、くせ・うねり用のシャンプーやトリートメント、ダメージ毛用のシャンプーやトリートメント、エイジングによるチリつきやパサつきに向けたシャンプー・トリートメントなど、さまざまなヘアケア商品を出しています。

しかし、その広告で表現されている内容には、ヘアケアでは絶対にできないことも含まれています。

商品というのは見せ方が大切です。

その商品自体が良いものかどうかだけではなく、どのように表現するか、どのように見せるかによって、売上は大きく変わります。
そのため僕から見ると、ほとんどの広告が「嘘ばかり言っている」ように感じてしまうことがあります。
では、なぜ僕にはそう感じられるのか。
今回は、その理由を毛髪科学に基づいてお伝えしていきます。

毛髪科学における健康毛は「疎水」の状態

毛髪科学において、健康毛は「疎水」の状態と定義されています。
疎水とは、読んで字のごとく、水をはじく状態です。

一方、ダメージ毛は「親水」の状態、つまり親水毛と呼ばれています。
こちらも字のごとく、水になじみやすい状態です。

つまり、髪の毛を水に濡らしたとき、水をはじきやすい状態が健康毛。
水を吸いやすくなっている状態がダメージ毛。

ということです。

もちろん、健康毛であってもダメージ毛であっても、水に濡らし続ければ最終的には濡れます。
ただし、相対的に見ると、健康毛のほうが水をはじきやすいということです。

吸水毛とは

それ以外に「吸水毛」と呼ばれる状態があります。
僕たちの業界では、別名「とろ毛」と表現することもありますが、ブリーチ毛などがそれにあたります。

撥水毛とは

また、「撥水毛」という状態もあります。

こちらも水をはじく「撥水」なのですが、健康毛の疎水状態とは異なります。
アイロンなどの熱によって髪が硬くなってしまった状態を、撥水毛と呼んでいます。
この状態も水を吸いにくく、水をはじきます。
ただし、健康毛である疎水毛と比較すると、その水のはじき方や髪の状態が異なります。

ここは少し美容師でないと伝わりにくい概念かもしれませんが、撥水の状態になっている髪は、傷んでいる髪、つまりダメージ毛として定義しています。

ダメージとヘアケアの考え方

健康な疎水毛から親水毛へと変化することを「ダメージ」と考えます。
反対に、親水毛の状態から疎水毛に近い状態へ持っていくことを、ヘアケアやトリートメント、サロントリートメントと呼んでいます。
つまり「ダメージ補修」というのは、親水毛から疎水毛の状態へ、擬似的に近づけてあげることです。
これをダメージ補修・トリートメントと呼んでいます。

くせ毛・うねり=ダメージ毛ではない

くせやうねりがある髪は、表面がうねうねしていたり、パサパサして見えたり、チリチリして見えたりします。
そのため、「髪がダメージしている」とおっしゃるお客様が大変多くいらっしゃいます。
しかし、ここはまったく違います。
どうにかして、この動画がくせ毛の方に届いてほしいと思っています。
うねっていようが、チリついていようが、傷んでいるように見えようが、髪が疎水の状態であれば健康毛です。
そして、健康毛であれば「きれいな髪」と定義できます。

では、健康毛である「疎水」の状態を、どのように定義するのか。

ここから詳しくお話ししていきます。

健康毛・疎水毛を判断する4つの条件

僕は、疎水毛の定義として4つの条件をご提案しています。
この部分については、一部のメーカーさんや研究員の方によって見解が異なる場合があります。
ただ、大きな流れとしては、どの研究者の方にもご理解いただける内容ではないかと思います。

1.水分の調節機能があること

まず1つ目は、

「水分の調節機能があること」

です。

たまに、「髪の毛は呼吸するんですよ」と表現する方がいらっしゃいます。
研究者の方でも、美容師でも、このような言い方をする方はいらっしゃいます。

ただ、「呼吸」と言われて僕たちが思い浮かべるのは、酸素を吸って二酸化炭素を吐くことです。
そのため、正確には呼吸ではありません。
髪の毛における「呼吸」という表現は、水分の調節機能を指しています。
髪の毛には、もともと水分量を11〜14%程度に維持しようとする機能が備わっています。
ダメージしてしまうと、この水分量が10%以下になることがあります。
これを「髪が乾燥している」と表現します。

くせ毛の方から非常によく、

「髪が乾燥していて、ふわふわ、チリチリします」

と言われることがあります。

ただ、これはまったく違う話です。
髪の水分量が10%以下になったときに起こる現象の一つが静電気です。
静電気については、また別の動画でお話ししたいと思います。

話を戻します。
髪の毛は水に濡れると、もちろん水分量が大きく増えます。
その髪を自然に乾かしていくと、水分は抜けていきます。
その際に、11〜14%程度で水分量を維持する機能を持っています。
しかしダメージすると、11〜14%程度に水分量を調整することができなくなってしまいます。
この水分調節機能が備わっていることを、健康毛の条件の一つとしています。

2.pH4.5〜5.5の弱酸性で安定していること

2つ目は、

「pH4.5〜5.5の弱酸性で安定していること」

です。

日々のヘアケアで使用するシャンプーやトリートメントでも、粗悪なものを使用すると、pHが弱酸性ではないものも意外と多いそうです。
これは僕自身がすべての商品を調べたわけではありませんが、研究者の方から聞いた話です。

また、パーマやカラーも関係します。
パーマ液やカラー剤には、pH9、ものによってはpH10ほどになるものもあります。
髪の毛はアルカリにとても弱い性質があります。
アルカリに傾くことで、CMCが溶けてしまうこともあります。
そうすると、髪本来のpH4.5〜5.5という状態から大きく変化します。

例えばブリーチした髪では、その後の状態によってpHが大きく変動することもあるそうです。
髪の毛が最も安定し、キューティクルが閉じている状態が、pH4.5〜5.5程度の弱酸性です。
そのため、この弱酸性の状態で安定していることも、健康毛の定義の一つとしています。

3.コルテックス間CMC・キューティクル間CMCが存在していること

3つ目は、

「コルテックス間CMC、キューティクル間CMCが存在していること」

です。

ダメージを受けた髪は、キューティクル間CMCがなくなってしまったり、コルテックス間のCMCが失われたりします。
そうすると、髪内部の物質やケラチンなどが流出してしまいます。
これはダメージ毛の状態です。

CMCが存在していない状態であれば、健康毛とはいえません。
逆に、CMCがしっかり存在している髪については、健康毛と定義しています。

4.18-MEAが存在していること

4つ目は、

「18-MEAが存在していること」

です。

18-MEAはCMCの一種なので、3つ目の条件と近いものではあります。
ただし、少し性質が異なるため、分けて考えています。
18-MEAは主に髪の表面に存在し、髪のツヤに大きく関係しています。
また、皮脂を髪の毛先まで運ぶ機能も持っています。
そのため、ほかのCMCとは少し役割が異なります。

ただ、この18-MEAは、一度のパーマやカラーでも失われてしまいます。
そのため僕自身もそうですが、一度でもパーマやカラーをしたことがある方の場合、18-MEAは失われています。
また、洗浄力の強いシャンプーを使用している方や、アルカリに傾くようなシャンプーを使用している方の場合も、18-MEAが失われることがあります。
この4つの機能や条件がすべて備わっている髪を、健康毛、つまり疎水毛として定義しています。

くせ毛は、くせ毛のままで「きれいな髪」

根元からふわふわ、チリチリ、うねうねしていて、見た目としてきれいに見えない髪だったとしても、先ほどの4つの条件を満たしていれば、「きれいな髪」と定義できます。

つまり、冒頭でお話ししたとおり、

「くせ毛は、くせ毛のままできれいな髪」

と定義できるわけです。

くせ毛で悩んでいるお客様は大変多く、その結果、ヘアケアを間違えてしまっている方も本当に多くいらっしゃいます。
だからこそ、この話をくせ毛の方に知っていただきたいと思っています。

「きれいな髪」を作るのがヘアケア、「きれいに見える髪」を作るのがスタイリング

最後に、最も大切なことをお伝えします。

「きれいな髪を作るのがヘアケアです。そして、きれいに見える髪を作るのがスタイリングです」

この違いを、ぜひ覚えてください。

さまざまな広告や美容師さんのSNS投稿を見かけると思います。
そこでツヤツヤ、サラサラになっている髪の多くは、スタイリングによるものです。
ヘアケアだけの効果ではありません。
直毛の方であれば、アイロンなどを使うことでツヤツヤ、サラサラに見えやすくなります。
一方で、髪に悩んでいるお客様の8〜9割程度は、くせ毛に悩んでいます。

そのため、「このシャンプーやトリートメントを使えば、くせ毛でもツヤツヤ、サラサラになる」と思ってヘアケア商品を購入される方は大変多くいらっしゃいます。
しかし、広告などで表現されているツヤツヤ、サラサラの状態の多くは、スタイリングによって作られています。
これはぜひ覚えておいてください。
そうでなければ、広告の見せ方に惑わされてしまいます。

広告や美容師のSNSを見るときに注意してほしいこと

美容師さんのSNS投稿についても同じです。

同じ美容師として、お客様を勘違いさせるような宣伝をしているのを見ると、僕はとても歯がゆく感じます。
あえて強い表現をするのであれば、広告というのは「合法的な騙し合い」のような側面があります。
もちろん、違法な表現は認められません。

薬機法に触れるような表現などは当然いけません。
ただし、合法的な範囲の中で、いかに髪をツヤツヤ、サラサラに見せるかという表現が、最近の美容師業界では多く見られます。
しかし、その多くはスタイリングです。
ここはぜひ覚えておいてください。

きちんと、「これはスタイリングによる仕上がりです」と伝えている美容師さんであれば、信用できると思います。

また、シャンプーやトリートメントの広告でも、米印などで小さく「スタイリングの効果による」といった内容が記載されていることがあります。
これは薬機法などとの関係から記載されています。
しかし、すべての表現でわかりやすく書かれているわけではありません。

だからこそ、広告の見た目だけで判断しないようにしてください。

くせ毛は傷んでいる髪ではない

そして、くせ毛というのは、傷んでいる髪ではありません。
ここもぜひ覚えていただきたいです。
自分自身の髪質やくせに、自信を持って生活していただきたいと思っています。

くせ毛のお客様をスタイリングした実例

最後に、一つ例をご紹介します。

こちらのお客様は、ご来店時には左右で少し長さが違っている状態でした。

まず一度クレンジングとシャンプーを行い、カットできちんと左右の長さを合わせました。

その後、ドライヤーで乾かした状態がこちらです。

かなり広がりのある、くせ毛のお客様です。

いわゆる縮毛と波状毛が混ざっているタイプのくせ毛です。

そして、こちらのお客様をアイロンでスタイリングした状態がこちらになります。

スタイリングというのは、くせ毛であろうが何であろうが、いかようにでも見せることができます。

くせ毛であろうが、何であろうが、スタイリングによって見た目は大きく変えられます。

大切なのは「何をした結果なのか」を伝えること

いろいろなシャンプーの広告や美容師さんの投稿を見ていると、

「ビフォーではこれだけくせがあった髪が、こんなにきれいになりました」

というように見せているものがたくさんあります。

しかし僕は、きちんとプロセスを経て、「何をした結果なのか」を伝えることがとても重要だと思っています。

今回ご紹介したお客様であれば、

「シャンプーとトリートメントをした状態ではこうなります」

「そこからスタイリングをすると、こうなります」

というように、プロセスをきちんと伝える必要があります。

そのうえで、お客様自身が髪をどうしたいのかについて、しっかりコミュニケーションを取っていくことが大切です。
ちなみに、こちらのお客様は最終的に縮毛矯正をされました。
ただ、美容業界全体として、この部分の伝え方があまりにもおかしくなっていると感じています。
ぜひ今回の内容を参考にしていただき、広告などの見せ方に惑わされないようにしていただければと思います。

まとめ|「きれいな髪」と「きれいに見える髪」を分けて考える

今回は、健康毛と「きれいな髪」の定義について、一本の内容にまとめてお伝えしました。

「きれいな髪」と「きれいに見える髪」は違います。

そして、

「くせ毛は、くせ毛のままできれいな髪です」

これは、ぜひ全国のくせ毛で悩んでいる方にお伝えしたいことです。

もし周りにくせ毛で悩んでいる方がいらっしゃったり、思春期のお子さんをお持ちの方で、お子さんが髪質について悩んでいたりするのであれば、ぜひ教えてあげてほしいと思います。

そして、くせ毛の悩みにもきちんと解決策はあります。
その悩みにしっかり向き合い、相談に乗ってくれる美容師さんに相談していただきたいと思います。

今回のコラム内容をより詳しく知りたい方は、こちらの動画を御覧ください。


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この記事を書いた人

名村 武彦 はじめまして。リベリュール・オーナースタイリストの名村(なむら)です。
リベリュールは艶やかにまとまる綺麗な髪をつくる事が得意な美容室です。髪を綺麗にするってとてもシンプルでカンタンです。
1人で悩んでいないで、ぜひお気軽にご相談下さい。 髪が綺麗になると毎日がとっても気持ちいいですよ!

はじめまして。リベリュール・オーナースタイリストの名村(なむら)です。
リベリュールは艶やかにまとまる綺麗な髪をつくる事が得意な美容室です。髪を綺麗にするってとてもシンプルでカンタンです。
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